『コップの回し飲みでも性病に感染するのか?』という質問を度々受けますが、コップの回し飲みや、仲の良いカップルの『あ~ん』などの行為だけでは、一般的には性病に感染することはないと言えます。
コップの回し飲みだけで感染しないとはいえ、キスやディープキスなどで唾液感染する可能性があるため、唾液がべっとり付いていたり、何回も飲み回すことで、その回し飲みでの感染リスクは高まるため注意が必要です。
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コップの回し飲みで性病に感染しない理由とは
一般的にはコップの回し飲み程度では、性病に感染することはありません。まずは、性病の主な感染経路と、回し飲みでは感染しない理由について解説します。
性病の主な感染経路
一般的な性病の感染経路は、キスやフェラを含むオーラルセックスや、膣性交、アナルセックスによるとされています。感染者との、粘膜同士の接触や体液の接触、唾液の接触によって感染するということです。また、尖圭コンジローマや梅毒など、ブツブツやただれなどの患部との接触によっても感染する場合があり、HIV(エイズ)は体液だけではなく血液を介して感染します。
性病に感染している男性に生フェラを行った場合、ペニスの粘膜や精液を介して、フェラを行った人の咽喉(のど)の粘膜にや口内に感染する可能性があります。
咽喉(のど)や口内に性病を患っている方とのキスやディープキスだけでも感染するリスクがあります。喉や扁桃腺に、相手の唾液に混じった細菌やウイルスが感染してしまう可能性があるからです。
性病の病原菌は体外に出ることで感染力が低下する
コップの回し飲み程度で感染しない理由としては、性病の病原菌やウイルスは、体外から出ると長く生きられないからです。また、お茶やジュースなどと混ざり合うことは、体液の中で生きている病原菌やウイルスにとっては死活問題です。
例えば、HIV(エイズ)は血液を介して感染することがあります。しかし、目に見えて分かるレベルで大量出血していて、コップの飲み口に血液がべっとり付着していれば別ですが、HIVウィルスは非常に感染力が弱いウィルスで、人の体外では長時間生きられませんし、空気中では生きられません。
お茶やジュースや水などと混ざってしまっては、体液との浸透圧の違いからウィルスが不活性化し感染力がなくなる可能性が非常に高いと言えます。
咽喉に感染する代表的な性病であるクラミジアも、空気に触れ乾燥すると死んでしまうほど環境の変化に弱い微生物です。 クラミジアは感染している人の体液や粘膜に直接ふれない限り他の人に感染する心配はほとんどありません。
飲みこんでも性病に感染しないの?
余談ではありますが、フェラなどでの精液を飲みこむ、いわゆる『ごっくん』で性病に感染するリスクについて説明したいと思います。
一般的に、精液を飲みこむ、つまり体内に摂取することによって性病にかかるわけではありません。
しかし、口内に射精されることで性病に感染する可能性があります。口や喉など口腔の粘膜が切れている場合、精液に入っている病原菌やウイルスがその傷口、のどの粘膜から入り込んでしまう恐れがあります。
回し飲みで気を付けておきたい性病の種類
コップでお茶やジュースの回し飲みによる性病感染リスクはかなり低いとはいえ、注意しておきたいことには変わりありません。ここでは、回し飲みで念のため気を付けておきたい性病の種類について解説します。
回し飲みの性病感染リスクはゼロとは言えない
性病は咽喉(のど)や口内にも感染する種類があり、それらの性病は、フェラなどのオーラルセックスによる粘膜同士の接触や、ディープキスなどで唾液を介して感染する可能性があります。
回し飲みで感染する可能性は低いものの、ゼロリスクとは言い切れません。もちろん、男女だけではなく、男性から男性へ、女性から女性への感染の可能性もあります。
また、性感染症は、そもそも感染から何ヶ月も、場合によっては年単位で、まともに自覚症状がでずに気付けないものも多いわけです。発症しない限り見分ける方法も検査以外にはありませんから、あまり性感染症に対してこれであれば大丈夫だろうと高をくくるような考え方を持つことは危険です。
クラミジアや性器ヘルペスに注意!
クラミジア自体は、空気に触れ乾燥すると死んでしまう環境の変化に弱い微生物ですが、のどにクラミジアに感染している人の唾液が目に触れたり、手に分泌物が付着したまま目をこすったりしてしまうと、クラミジア結膜炎にかかる場合があります。他人が使用したコップを触れた手で、目や口を触れることを避けましょう。
特にヘルペスには要注意です。ヘルペス菌は感染者の唾液にも存在し、コップやペットボトルの回し飲みや、ストローやスプーンなどの共用で感染する可能性があり、親が使用したスプーンで子どもに食事を与えるだけで感染するリスクがあります。
その他にも、咽喉(のど)や口内に感染しやすい性病の種類としては、淋病や梅毒などがあります。また、血液を介して感染する性病は、HIV(エイズ)やB型肝炎、C型肝炎、梅毒が挙げられます。
コップの回し飲み以外でも注意したいこと
飲料の回し飲み以外にも、性病感染のリスクから注意したいことは以下の通りです。
- ペットボトルや水筒の共用
- ストローの共用
- スプーンやフォークの共用
- カミソリや歯ブラシの共用
- 食べ物や飲み物の口移し
- セックスパートナー以外とのキス
まとめ:コップの回し飲みはできるだけ避けるべき
コップでお茶やジュースの回し飲みでの性病感染は、基本的には低リスクなため、何らかの症状が出た際は、性病ではなく他の感染症の可能性が高いと言えます。
しかし、オーラルセックスの一般化に伴って咽喉(のど)や口内に性病を患う人が多く、感染者の唾液や血液から感染する可能性も否定できません。特に性器ヘルペスは感染力が高いため注意が必要です。
回し飲みをせざるを得ない状況ではない限り、性病を含めた感染症対策として、できればコップなどの共用は避けたほうが良いでしょう。
もし、何らかの症状が出ている、または感染機会に心当たりがある方は、念のために性病検査を受けて見てみてはいかがでしょうか。