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性病予防

性病が原因で不妊症に?男女別で性病による不妊症のリスクについて解説します

性病と聞くと、性器周辺にブツブツができたり、排尿痛や性交痛をイメージする方も多いかと思います。ですが、その性病が原因で【不妊症】になってしまう可能性があることをご存知でしょうか?

もちろん男性が性病に感染し、不妊症になる例もあるため、女性だけの問題ではありませんよ

今回は、不妊症の観点から、男女別で性病に感染し不妊症になるリスクと仕組みを解説したいと思います。

【男性】性病で不妊症になるリスク

性病は性行為によって感染する病気です。一部の性病は、女性だけではなく男性の不妊症の原因となる恐れがあり、そのことを知らない男性が多いようです。

不妊症になる仕組み

性病に感染すると、多くの場合、その原因菌やウイルスが尿道に侵入します。尿道から周辺臓器(皐丸、陰嚢、精管、前立腺)に進行し、精巣上体炎などを引き起こし、最終的に不妊症の原因となる場合があります。

外部から性病の原因菌が侵入すると、もともとの免疫機能が働き原因菌と戦います。そのため細胞の反応が、皐丸活発となり、熱を帯び体内の水分が集まるため、『腫れる』などの症状が起きることがあります。その炎症部位が皐丸や精管などの生殖機能に重要な場合は、不妊症になるリスクも高まります。

性病のほとんどは、正しい治療を行うことで完治します。しかし、治療が遅れると、原因菌やウイルスが死滅しても、炎症部分が本来の機能、つまり精子の製造や輸精が出来なくなってしまう恐れがあります。

性病が原因で不妊症リスクが高まる病気

◆精巣上体炎

精巣上体炎とは、精巣上体が炎症をおこす病気です。精巣上体は、精巣で造られた精子を蓄えて成熟させる役割があり、左右の精巣の背中側にある器官で【副睾丸】ともよばれます。主な原因は、尿道から精液の通り道を逆行して細菌が侵入し、精巣上体で増殖することで発症します。原因菌の多くは大腸菌ですが、性交渉によってクラミジアや淋病が原因となることも。

◆閉塞性無精子症

閉塞性無精子症とは、精巣内で精子が作られているが何らかの原因で精子が外に出る事が出来なくなってしまうことをいいます。 精巣機能自体は問題ないですが、精子の通り道である精管が、性病による炎症等が原因でふさがってしまい、無精子状態を引き起こします。

◆膿精子症

膿精液症は、本来血液中の細胞に存在する白血球が、精液中に混入している病気です。白血球を含んだ精液中では、精子の運動率が低下します。そのため妊娠率が低下する場合があります。白血球は、体内に侵入した異物に対して、身体を守るという防衛の働きを持っており、性病などの何らかの感染症に対しての免疫機能が働いているということになります。

性病に感染している期間が長いほど不妊症リスクが高まる

性病のほとんどは自然治癒しないため、放置することで重症化し、不妊症になるリスクが非常に高まります。性病に感染している期間が長ければ長いほど、性病の病原菌が体の奥まで進行してしまい、精巣や精管の炎症が重症化する可能性が高まります。

しかし、性病の多くは無症状や、症状が表れても軽度なことが多いです。そのため、長期に渡り適切に治療をされないまま放置されることが一番の問題となります。

【女性】性病で不妊症になるリスク

次に女性が性病によって不妊症になる仕組みやリスクについて解説します。

不妊症になる仕組み

女性が性病に感染することで、原因菌が子宮頸管から卵管のほうまで侵入し、そこで卵管炎をおこすことがあります。卵管炎になると、卵管が詰まったり、周囲の組織が癒着(組織同士がくっつく)などを引き起こす場合があります。

これらが原因で、卵子や受精卵が通過しにくくなるため、不妊リスクが高まるのです。また、妊娠しにくくなるだけではなく、受精卵が子宮内膜以外に着床する【子宮外妊娠】を引き起こす可能性が高まります。

性病が原因で不妊症リスクが高まる病気

◆子宮頸管炎

子宮頚管炎(しきゅうけいかんえん)とは、子宮頸部に感染や病気によって炎症がおこることをいいます。性感染症が主な原因で、ほかの病気によって引きおこされることもありますが、クラミジアや淋病が最も多いとされています。

◆子宮内膜炎

子宮内膜炎とは、子宮の内側にある粘膜(子宮内膜)に炎症が生じる疾病で、発症することで正常に受精卵が子宮内膜に着床できなくなる可能性があります。

◆卵管炎

卵管炎とは、卵管に炎症が起こる病気のことで、卵管に膿がたまったり、腫瘍ができることがあります。治療せずに放置していると、卵管が炎症のためにくっつく癒着(ゆちゃく)したり、詰まったりすることがあり、不妊や子宮外妊娠の原因にもなります。

◆骨盤腹膜炎

骨盤腹膜とは、骨盤内の子宮や卵巣、卵管などの器官を覆う薄い膜です。骨盤腹膜炎は、卵管炎などの子宮や卵巣の炎症を放置することで、その炎症が骨盤腹膜まで広がったことをいいます。

◆肝周囲炎

肝周囲炎(かんしゅういえん)とは、肝臓を包む皮膜に病原体が感染し、発熱や腹痛などを発症する疾患のことです。。 骨盤内感染を経て肝周囲炎にいたったものをフィッツ・ヒュー・カーティス症候群といって、主にクラミジアなどが原因であることが多いとされています。

性病の母子感染について

何らかの細菌やウイルスなどが、母親から赤ちゃんに感染することを【母子感染】と言います。

多くの性病は、母親が感染している状態で出産することで母子感染を引き起こす場合があります。妊娠前から元々その病原菌やウイルスを持っている母親(キャリア)もいれば、妊娠中に感染する方もいます。

妊娠してからの性病の治療は、胎児への影響を考慮した治療法になります。不妊症のリスクも含めて、妊娠前に性病検査を行うことが大切です。

不妊症リスクが高い性病とは

どんな性病に感染しても、放置し症状が悪化することで、男女とも不妊症になる可能性があります。その中でも、感染し放置してしまうことで不妊症になる割合が高いとされる性病名とその詳細を解説します。

クラミジア

クラミジアは日本で一番感染者が多い性感染症(STD)で、その数は100万人以上といわれています。感染者が一番多いことや、1回の性交によって約30%~50%の確率で感染するともいわれているため、クラミジアによって不妊症になる割合は比較的多いとされています。

また、感染者が多い要因の1つに、クラミジアに感染しても無症状が多いということが挙げられます。症状がでるのは、おおよそ男性で2人に1人、女性で5人に1人ほどといわれており、知らないうちにセックスパートナーに感染させてしまいます。

男性の場合は、クラミジアが尿道から感染し、治療せずに放置しておくと、精子を成長させ精管に送り出す働きがある『精巣上体』に感染が広がってしまうことがあります。

女性の場合、子宮内膜や卵管に炎症を起こし、さらに骨盤腹膜炎を引き起こすことがありますが、それでも症状が軽度のため性病に感染していると自覚できないケースもあります。

淋病

淋病は、性的接触によって淋菌が引き起こす性感染症で、女性は無症状なことがありますが、男性はペニスから膿が出ることや排尿痛などの症状が表れやすい性病です。

クラミジア同様に、感染力が非常に高く、男性においては尿道炎、女性では尿道炎や子宮頸管炎になることがあります。淋病に感染している約20%~30%の人がクラミジアを合併しているといわれています。

トリコモナス

トリコモナス症は、トリコモナス原虫という微生物に寄生されることによって感染します。クラミジアや淋病などの細菌類とは異なり、ミドリムシなどの微生物の仲間で、主に性行為によって感染します。

トリコモナス症は、女性の膣から感染し、徐々に膣内部から奥へ進行していきます。子宮頸管から卵管・卵巣へと感染が進行してしまい、卵管炎や癒着(臓器や組織同士がくっついてしまう)をおこして詰まったり、塞がってしまったりします。

クラミジアや淋病と同様に、排卵が困難になるため、結果として妊娠しにくい状況が生まれてしまいます。また、不妊症だけではなく、妊娠後に流産や早産、前期破水などに至るケースもあります。

マイコプラズマ・ウレアプラズマ

マイコプラズマ・ウレアプラズマは、クラミジアや淋菌に次いで尿道炎(尿道炎・子宮頸管炎)の原因菌として近年注目を集めています。クラミジアや淋病以外が原因で尿道炎が起こることが多いですが、その他の細菌類が原因で尿道炎を発症することを「非クラミジア性非淋菌性尿道炎」といわれています。

クラミジアや淋病の検査を行っても【陰性判定】なのに、なかなか症状が治らない場合は、このマイコプラズマやウレアプラズマが原因の可能性があります。現代は、尿道炎の20%程がマイコプラズマ・ウレアプラズマが原因だと分かってきています。

女性が感染し、放置してしまうと症状の悪化・卵管炎・腹膜炎・子宮外妊娠・不妊症の原因になることもあります。男性の場合、放置してしまうと症状の悪化・精巣上体炎・前立腺炎などの原因になることもあります。

まとめ:不妊症の観点からも性病は早期発見が大切

性病に感染することで、男女とも不妊症となるリスクが存在ます。上記で紹介しました性病以外でも、尿道炎や膣内の炎症を起こす可能性がある性病はたくさんあり、それらを放置することで体内の奥まで原因菌やウイルスが進行し、不妊症の原因となる病気を発症する可能性があります。

また、いくらコンドームを着用していても、性的関係を持っていることで100%感染しないとは言い切れません。自身が感染していなくても、たとえ性病の治療を終えても、ピンポン感染によってまた再発してしまう場合があるため、パートナーとの関係性も重要です。

しかし、性病に感染しても早期発見と正しい治療を行うことで、ほとんどの性病は完治します。もし、これから妊娠したい、子どもが欲しい方で、感染機会に心当たりがある場合は、まずは自身とパートナーで性病検査を検討してみてはいかがでしょうか。

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