性病の種類と性病名

HIV(エイズ)とは?エイズの症状や潜伏期間、検査方法や治療方法について詳しく解説します!

『HIV=エイズ』と思っている方がたくさんいることが現状ですが、実は「HIV」とは「エイズウイルス」のことで、正式には「Human Immunodeficiency Virus(ヒト免疫不全ウイルス)」といいます。

エイズウイルスは、ヒトに感染すると免疫力を低下させてしまうウイルスです。

「HIV(エイズウイルス)」 に感染し治療をせず放置すると、免疫力がだんだん弱くなり、数年~10年で健康な人でも何ともない菌やウイルスで様々な病気がおこります。その病気が、「エイズ指標疾患」 とされる厚生労働省が定めた疾患にあてはまると「エイズを発症した」と診断されます。

今回は、HIV(エイズ)の症状や感染経路、検査方法や治療方法、検査や治療に必要な費用などについて詳しく解説したいと思います。

HIV(エイズ)の症状や感染経路について

ヒト免疫不全ウイルス(エイズ)とは
(参照:Wikipedia)
エイズは正式にはヒト免疫不全ウイルスといい、人の体を病原体(細菌、カビ、ウイルス)などから守るのに重要な役割を果たす免疫細胞に感染するウイルスです。
 
1981年アメリカで発見された病気で、1985年日本での発症が確認されている病気です。
 
「日本国内のHIV感染者及びエイズ患者の国籍別、性別、感染経路別報告」によると、2017年12月時点で日本国内に日本国籍・外国籍で合計約2万9000人がHIV感染者及びエイズ患者であることが分かっています。

HIV(エイズ)に感染すると免疫システムが崩壊する

人の体には、病原体を排除するための免疫(めんえき)というしくみがあります。体に害を及ぼす病検体が侵入しても、免疫細胞たちがその病原体を排除してくれます。

血液の中の白血球の仲間たちがこのしくみを支えており、その中でも CD4陽性細胞というものが司令官の役割を果たしており、司令官は免疫細胞の仲間たちに様々な指令を出して排除していきます。

しかし、HIV(エイズ)に感染すると、その免疫システムが崩されてしまいます。

血液、精液(がまん汁含む)、腟分泌液などに含まれているHIV(エイズウイルス)は、傷口や粘膜から血管の中へ入っていき、 血管の中に入ったHIVは、大切な免疫の司令官であるCD4陽性細胞にくっついてしまいます。

くっついたHIVは、CD4陽性細胞の中を利用し、増殖していきます。そして、もとのCD4陽性細胞は壊れてしまいます。増殖によって新しくできたHIVは次のCD4陽性細胞にどんどん感染していきます。

point. このように、HIVに感染することで、知らない間に徐々に免疫システムで大切な司令官であるCD4陽性細胞が破壊されることで、免疫力が低下していき、その結果さまざまな病気にかかりエイズを発症したと診断されるのです。

HIV(エイズ)の症状と潜伏期間

HIV感染後、症状は大きく分けて3つの段階があります。初期にインフルエンザに似たような症状がでることもありますが、ほとんどの場合6ヶ月から10年以上の間、平均すると8年から10年ほど無症状が続くことが多いのです。そのまま治療しないでいると免疫力が低下し続け、約5年~10年でエイズ発症となります。

病期 症状と潜伏期間
HIV感染初期

潜伏期間2週間~4週間を経て、インフルエンザに似た症状が表れることがあり、これを『HIV初期症状』と呼びます。

発熱・のどの痛み・リンパ節の腫れなど症状が出ることもありますが2週間ほどで消えてしまう。

無症候期

約3ヵ月~数年にわたり無症状の状態が続きます。約3ヵ月ほどで、HIVの抗体が十分に産生され、血液中に出現しHIV抗体検査が可能となります。

エイズ発症期

数年から10年以上の月日を経て、発熱・下痢・極度の倦怠感・体重減少などが現れる。(エイズ関連症候群)

厚生労働省が定めた合併症(23疾患)のいずれかを発症した場合、エイズ発症といいます。

HIV(エイズ)発症とされる23疾患とは?

エイズを治療せずに放置することで、さまざまな病気(合併症)となる可能性があります。以下は、厚生労働省が定めるエイズ発症の基準とされる23の合併症の一覧です。

23の合併症

  1. カンジダ症(食道、気管、気管支、肺)
  2. クリプトコッカス症(肺以外)
  3. ニューモシスチス肺炎
  4. コクシジオイデス症
    (1:全身に播種したもの 2:肺、頚部、肺門リンパ節以外の部位に起こったもの)
  5. ヒストプラズマ症
    (1:全身に播種したもの 2:肺、頚部、肺門リンパ節以外の部位に起こったもの)
  6. クリプトスポリジウム症
  7. トキソプラズマ脳症(生後1ヵ月以後)
  8. イソスポラ症(1ヵ月以上続く下痢を伴ったもの)
  9. 非結核性抗酸菌症
    (1:全身に播種したもの 2:肺、頚部、肺門リンパ節以外の部位に起こったもの)
  10. 化膿性細菌感染症
    (13歳未満でヘモフィルス、連鎖球菌等の化膿性細菌により以下のいずれかが2年以内に2つ以上多発あるいは繰り返して起こったもの。1:敗血症 2:肺炎 3:髄膜炎 4:骨関節炎)
  11. 活動性結核(肺結核又は肺外結核)
  12. サルモネラ菌血症(再発を繰り返すものでチフス菌によるものを除く)
  13. サイトメガロウイルス感染症(生後1ヵ月以後で肝、脾、リンパ節以外)
  14. 単純ヘルペスウイルス感染症
    (1:1ヵ月以上持続する粘膜、皮膚の潰瘍を形成するもの 2:生後1ヵ月以後で気管支炎、肺炎、食道炎を併発するもの)
  15. 進行性多巣性白質脳症
  16. カポジ肉腫
  17. 原発性脳リンパ腫
  18. 非ホジキンリンパ腫
    (LSG分類による。1:大細胞型・免疫芽球型 2:Burkitt型)
  19. 浸潤性子宮頸癌
  20. 反復性肺炎
  21. リンパ性間質性肺炎/肺リンパ過形成:LIP/PLH complex(13歳未満)
  22. HIV脳症(痴呆又は亜急性脳炎)
  23. HIV消耗症候群(全身衰弱又はスリム病)

HIV(エイズ)の感染経路

HIVは、エイズ感染者の血液、精液、膣分泌液、母乳などに多く含まれています。感染経路は、腸管、膣、陰茎亀頭、口腔内などの粘膜の接触、または血管に達するような表皮の傷からであり、傷のない皮膚からは感染しません。

主な感染経路は以下の通りです。

感染経路 説明
性行為 通常の膣性交からアナルセックスやオーラルセックスでも感染する。HIV(エイズウイルス)が粘膜や傷口から血液内に入って感染します。
注射器・注射針 薬物・覚醒剤の回し打ちなど
母子感染 HIVに感染している母親からの感染があり、子宮内・出産時・母乳から感染する
輸血・臓器移植 HIV感染者の血液の輸血、臓器移植などを行った場合など

HIVはヒトの体の中で生き続けることができるウイルスですが、実は、体の外、たとえば空気中や水の中などに出てしまうと感染力をなくします。

point. よく勘違いされる感染経路として、汗、涙、唾液、尿、便などがり、これらの体液の感染の可能性はありません。くしゃみ(飛沫)や電車のつり革、階段の手すり、食器類共用、風呂、洗面台、便座の共用での感染はないため、通常の社会生活の中で感染することは基本的にはないと考えられます。。

HIV(エイズ)の感染者の多くは男性ってほんと?

男性が多いという訳ではありませんが、厚生労働省の調査では、ゲイやバイで男性との経験しかない男性と、女性との経験しかない男性と比較すると、ゲイやバイでは感染している人の割合がHIVで約140倍、エイズで約50倍高いと判明しています。それは出血を伴いやすいアナルセックスなどの性行為を行うことがエイズに感染する可能性が高まることを示しています。

また、アフリカ全体の調査でも、国ごとの感染率はさまざまだったが、多くの国で、異性愛者よりも同性愛者の男性のHIV感染率がとても高く、一部の地域では男性同性愛者の感染率が10倍高かったと報告されています。

point.ただし、異性間でしか性行為を行っていなくても、出血を伴いやすいセックスをしている可能性もありますし、そもそも母親から乳児に感染する母子感染の可能性もあるため、エイズは全ての人が感染に注意すべき感染症です。

HIV(エイズ)の検査について

HIV(エイズ)はどのような検査を行うのでしょうか?また検査が可能な場所、検査にかかる費用について説明します。

HIV(エイズ)を検査できるタイミングとは

実はHIV(エイズ)に感染しているか確認したくても、感染した可能性がある性行為からあまり時間が経っていない場合は検査できない可能性があります。

HIVに感染した場合、HIVに対する抗体が血液中に出現し、抗体検査で検出できるようになるまでに感染した行為から、個人差はありますが4~8週間程度かかるとされています。

つまり、感染している場合は、4週間後くらいから陽性(+)に判定される可能性があります。4週間前後の早い時期からでも検査自体は可能ですが、その際に陰性(-)の判定であっても確実に陰性であるとはいえません。

なぜなら、抗体が血液中に出現して検査できるようになるのは個人差があるからです。確実に陰性(-)を確認したい場合には、感染が疑われる行為をした日から3ヶ月以降に抗体検査を行うことが必要です。

HIV(エイズ)の検査方法

「スクリーニング検査」と「確認検査」の2段階を経て、HIV感染の判定をします。

スクリーニング検査とは、多くの人の中から、疑わしい人を見つけ出す検査のこと。 スクリーニング検査だけでは、HIV感染を確定することはできませんので、スクリーニング検査で陽性判定が出た場合、必ず確認検査で本当に感染しているのかを確認する必要があります。

point. HIV抗体スクリーニング検査の内容としては、血中のHIVウイルスへの『抗体』が作られているかを検査する方法です。そのため血液検査が必要です。

抗体とは、菌やウイルスが体内に侵入すると、それに反応して作られる物質です。つまり、HIVの抗体があれば陽性、抗体がなければ感染していない陰性という判断となります。

確認検査でHIVに感染していることが判明したら

『確認検査』でHIV(エイズ)ウイルスに感染していると判明したら、医療機関にて専門医の診療を必ず受けましょう。

HIVを体内から完全に排除することはできません。しかし、治療によって他の慢性疾患と同様、健康を回復したり維持したりすることができるようになってきています。まずは、自身の健康状態の把握を行い、今後の健康管理と治療の相談を行なうことが大切です。

HIV(エイズ)検査ができる場所はどこ?

HIVの検査ができる場所は、主に病院か保健所、郵送検査である性病検査キットがあります。

病院(男性) 内科・性病科・泌尿器科
病院(女性) 内科・性病科・婦人科
保健所

各都道府県の保健所

※各保健所では無料で性病検査を行っていますが、月1回ほどしか検査日が設けていないケースも多く、さらに検査項目が少なくHIVの検査を行っているか事前に確認が必要です。

性病検査キット

GME医学検査研究所・アルバコーポレーション(STDチェッカー)・ふじメディカル・さくら検査研究所・予防会

※検査キットを使用した郵送検査を行います。ご自身で検体を採取し、専用の容器に保管してポストに投函し検査所で検査が行われます。後日、スマホやパソコン等で検査結果を確認します。

参考:各性病キットメーカーの比較はこちら≫

point.エイズはさまざまな病気を引き起こすウイルスです。そのため、エイズの症状は自分では判断できません。もし、疑わしい場合は『念のため』ということで検査を検討してみてはいかがでしょうか。

病院へ行くことに抵抗がある方の多くは、郵送検査が可能な性病検査キットを利用しています。詳しくは『性病検査キットとは?6つのメリット解説!』をご覧ください。

HIV(エイズ)の検査料金

HIVの検査料金についてです。病院で検査する場合は、症状が出ているケースは保険適用となり、無症状の場合は保険適用外となります。保険適用の有無によって料金に差がありますので注意が必要です。

病院

料金:約3,000円~8,000円

検査結果:約1週間後

※検査方法は病院によって異なります。また、通常検査と即日検査がある病院があります。すべての病院でHIV検査を行っているわけではありません。事前に電話で確認してみましょう。

保健所

料金:基本的に無料

検査結果:約1週間後

※病院と同様にその日に検査結果がわかる即日検査を行っている保健所もありますが、検査日が月に1回など回数制限がある場合や、HIVの検査を行っていない保健所もあるため、スケジュール的にはあまり便利とは言えません。

性病検査キット

料金:約5,000円

検査結果:検体到着後1日~5日程度

※匿名での郵送検査が可能で病院に抵抗がある方に便利。検査精度も病院と変わらない。性病検査キットをお考えの方は『性病検査キットを選ぶ前に知っておきたい5つのポイント』を参照してください。

point.検査にかかる費用は一般的な料金です。実際の検査では、HIV他の性病の疑いが否定できないため同時に何種類かの性病検査を行うケースがあり、上記の金額よりも費用がかかることが通常です。

どこで検査してもらうか悩む方は『検査キットの信頼性と病院・保健所との検査精度や費用を徹底比較』をご覧ください。

HIV(エイズ)の治療方法・治療薬について

今現在、HIVを完治(除去)させる薬はありません。しかし、HIV感染症の治療法は近年めざましく進歩しているため、抗HIV薬を服用することで発症を遅らせることが可能です。また、感染していても健康を回復したり、維持したりすることができるようになり死亡率も低下しています。

HIV(エイズ)の治療方法とは?

治療の主な内容は、定期的な血液検査と内服薬の服用です。HIV感染症の治療は、HIV(エイズウイルス)の完全な除去が難しいため、増殖をおさえる「抗HIV療法」が主なものとなります。

抗HIV療法では、HIVの増殖を抑える「抗HIV薬」を服用します。抗HIV薬の服用を始めることで、HIVの増殖をおさえてウイルス量を減らしていきます。ウイルス量が減ってくると、CD4陽性細胞数も増え、体の免疫力が回復するということです。

抗HIV薬は毎日決まった時間に服用する

抗HIV療法では、効き方の異なる複数の抗HIV薬を1日に1~2回の服用を行います。医療の進歩により、1日1回1錠の服用ですむ薬も開発されていますが、薬は決められた時間に正しく飲む必要がありますので服用方法は医師の指示通りに行いましょう。

薬の飲み忘れが続くと、HIVはその薬が効かない耐性ウイルスとなり治療が困難になる可能性があるため注意が必要です。

point. HIVの治療薬は、利き方が異なる複数の抗HIV薬を服用することもあります。その背景には、日本で多剤併用療法が可能になってからエイズの臨床経過が大きく変っているからです。その成果もあり、患者の生命予後は著しく改善されています。かつては「死に至る感染症」と呼ばれていましたが現代では「コントロール可能な慢性感染症」と変化してきています。

参考:HIV(エイズ)の治療薬と治療費について

HIV(エイズ)の治療費について

1カ月あたり全額を自分で払う場合には、約20万円かかります。(※保険適用外の金額です)優れた治療効果が期待できる抗HIV薬は、決して安いお薬ではありません。 

健康保険を使えば3割負担になりますが、それでも毎月約6万円、年間では72万円にもなってしまいます。

これだけの治療費を一生払い続けるのは、多くの人にとって簡単なことではありません。 そのため日本には、HIV感染者の医療費負担を軽減するさまざまな制度があり、それらを利用して医療費の軽減を行いましょう。

様々な助成制度

  • ・高額療養費(付加給付金)
  • ・身体障害者手帳
  • ・自立支援医療
  • ・重度障害者医療…など

参考:HIV(エイズ)の治療薬と保証制度について

HIV(エイズ)になったら生活はどうなるの?

HIVに感染していることが確認された場合、治療と同時に、体力(免疫力)を維持する生活スタイルを心掛け、規則正しい生活、十分な栄養、ストレスを溜めない生活を送るようにします。

HIVに感染しても、名前や住所など個人を特定できる情報が国などに報告されることはありません。感染症に関する法律に基づき、医療機関から 年齢・性別・都道府県・推定される感染原因などが報告されますが、各種法律によって守秘義務があるためプライバシーは厳重に保護されています。

まとめ:HIV(エイズ)は早期発見のための検査が大切

HIV(エイズ)は、現段階ではエイズウイルスを完全に除去する治療薬はないため、エイズによる疾患の発症や重症化する前、すなわち早期発見が治療をおこなう上でもとても大切です。

HIVの検査はもちろんのこと、性病検査を定期的に行うことが、症状の重症化やパートナーとのピンポン感染を防ぐことに繋がります。『念のため』という気持ちを大切に、HIVを含む性病検査を検討してみてはいかがでしょうか。

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