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性病の種類と性病名

毛じらみ症(ケジラミ)の症状や感染経路、潜伏期間、検査方法について徹底解説!

毛じらみ症(ケジラミ)は、吸血性昆虫である『ケジラミ』の寄生によって発症する性感染症です。1970年代中頃から急激に増え、一旦は減ってきましたが、1990年代中頃から再度増え始めているようです。今回は、毛じらみ症の原因や症状、感染経路、検査方法、治療方法について、医師が詳しく解説します。

毛じらみ症の原因や症状、感染経路について

毛じらみ症の原因は、『ケジラミ』というシラミの一種が寄生することで発症します。人に寄生するシラミには、ケジラミの他に、「アタマジラミ」と「コロモジラミ」が存在しますが、この中で性感染症を起こすのはケジラミのみです。

ケジラミの寄生部位は陰毛

参照:Wikipedia

ケジラミは全長1mm程度の大きさで寄生部位は陰毛です。1日に数回血を吸って栄養として生きています。陰毛の毛根周囲に住みつき性病の症状を引き起こします。

また、毛があるところならどこにでも寄生する可能性があります。陰部以外に肛門周辺や胸毛など毛がある場所にも寄生し、まれに髭・眉・まつ毛にも寄生することがあります。

point.ケジラミは、褐色の円形に近い丸みをおびた虫(吸血性の昆虫)です。さらに灰色がかった楕円形の光沢のある卵を産み数を増やしていきます。大きさは約1~2mmくらいのですので目視で確認できます。

毛じらみ症の主な症状と潜伏期間

参照:Wikipedia

ケジラミに感染してから症状が出るまでの期間、潜伏期間は約1ヶ月~2ヶ月程といわれています。つまり感染してから1ヵ月~2ヵ月でかゆみを自覚するようになります。

毛じらみ症の主な症状

  • ケジラミが寄生した部位のかゆみ
  • 外陰部や恥骨の周囲にかゆみが出る
  • 褐色の虫がいる、灰色がかった楕円の卵の様なものがある
  • 下着に黒色点状のシミがつく(毛じらみの排出する血糞)
  • 陰部以外に肛門周辺や太ももの体毛、胸毛など毛がある場所のかゆみなど

ケジラミが寄生した部位は、湿疹のような赤みなどは出ないですがかゆみがあることが特徴です。また、陰毛以外でも毛のあるところには寄生する可能性があるため、太ももや胸毛、まゆげなどにもかゆみが出る場合があります。

毛じらみ症の感染経路

毛じらみ症は、毛じらみが陰毛や体毛に寄生することで発症します。ケジラミの主な感染経路は、陰毛の直接接触による感染がほとんどです。1回の性交渉で95%感染するといわれ、感染の大半は性行為によるものと考えられています。

毛布などの寝具やタオルなどの間接感染もあり、接触が多い母から子への感染も多いです。そのため、親密な関係にあるほど周りへ感染が拡大してしまいます。

point.ケジラミは宿主(ヒト)から離脱後、良い条件下でも生存期間は48時間以内です。人から離れるとあまり長くは生きられません。さらに1日に10cm程度しか歩行できないため、感染経路は性行為を介するものが主です。

毛じらみ症(ケジラミ)の検査方法について

毛じらみ症を検査できる場所と検査方法

毛じらみ症を検査できる医療機関は【皮膚科・性病科・泌尿器科・婦人科】です。ケジラミかどうかわからない場合は、皮膚科を受けると良いでしょう。症状が出なくてもケジラミを発見できれば検査可能です。

また、毛じらみ症の検査方法は鏡検法です。患部を拡大鏡で見ながら、陰毛基部に付着する褐色を帯びた白色物を、ピンセットでつまむと、ケジラミが脚を動かすのが観察されます。

その後、対象物をスライドグラスにのせ、鏡検し、虫体を確認します。また、陰毛に産みつけられた卵を鏡検しても確定診断になります。

さらに、肌着にケジラミが排泄する糞便による黒色点状の染みが付くのも、参考となります。ケジラミが頭髪に寄生した場合は、アタマジラミとの識別で必要になりますが、虫体の形や爪の形で、識別は容易に判断できます。

毛じらみ症の検査費用

毛じらみ症の検査費用は、病院によってもやや異なりますが4,000円~8,000円程度でしょう。

※上記は、保険適応でない場合のおおよその金額です。保険適用の場合は、上記金額の3割負担となります。保険適用されるか否かについては、病院の治療方針などによって様々です。

毛じらみ症の予防方法

毛じらみ症の予防としては大きく分けて2つあげられます。

予防法 説明
性行為を避ける パートナーがケジラミに感染していると判明した場合には、治癒が確認されるまで性交渉を持たないようにする。また、ケジラミは1回の性行為で約95%で感染するといわれているため、パートナーも同時に検査する必要があります。
日常生活の予防 ケジラミは、毛布などの寝具や、タオル等を介する間接的感染もあるため、これらの共有を避け、アイロンなどの熱処理を行い清潔を心がける。

家族の中で、ケジラミ症にかかった方がいる場合には、感染が広まっていないかどうかを確認するために、家族全員の検査が必要となります。

毛じらみ症の治療について

毛じらみ症の治療方法と治療薬について解説します。

毛じらみ症の治療法・治療薬・対処法

毛じらみ症の治療方法や対処法には、住処である陰毛などの毛を剃ることと、治療薬を使用する2つに別れます。

対処法 説明
寄生部位の毛を剃る

最も費用がかからず確実な方法は、感染部位の毛を剃ることです。

感染が陰毛のみに限られている場合は、毛を剃るだけで完治できます。ただし、感染が頭の毛や体毛など広い範囲にわたる場合は、全ての毛を剃ることはできませんので、毛じらみ治療薬による治療が必要になります。

薬剤による治療

剃毛が困難な場合には、薬剤を使用します。現在、治療薬として国内で認可されているのは、0.4%フェノトリンパウダー(スミスリンパウダー)と0.4%フェノトリンシャンプー(スミスリンL)の2 剤のみです。両者ともに、一般に市販されています。

これらの薬はシラミの卵には効果が弱いため、卵の孵化サイクルに合わせて何回か繰り返し治療する必要があります。シラミの卵の孵化期間は1週間前後のため、3~4日ごとに3~4回繰り返し使用します。

point. ケジラミを駆除する治療薬『スミスリンパウダー』や『スミスリンシャンプー』は、薬局や楽天、Amazonなどで購入可能です。

参照:スミスリンパウダーとスミスリンシャンプーの違いと使用方法≫

毛じらみ症の治療判定(完治したかの確認の目安)

ケジラミとケジラミの生卵が全て駆除され、その後、かゆみの症状がなくなったことを確認し治癒と考えます。
また、白い下着を約2ヶ月間着用し、その間にケジラミの糞便の形跡が無ければ治癒したとも考えられますので1つの目安としてください。

不安な方はすぐにでも検査を!

性感染症は、早期発見と正しい治療が大切です。ケジラミは陰毛の接触によって高い確率で感染します。ケジラミが目で確認できていなくても、原因不明のかゆみがある場合は毛じらみ症の可能性もあります。『念のため』と考え、まずは早めの検査を検討してみてはいかがでしょうか。

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