性病の種類と性病名

赤痢アメーバ症の症状や感染経路、潜伏期間、検査・治療方法について徹底解説!

赤痢(せきり)アメーバは、ヒトに病原性を持つ腸管寄生性原虫です。腸内に寄生し糞便中に排出されます。赤痢アメーバ症は、世界人口の1%の約5,000万人が感染してるといわれており、その多くは発展途上国に集中します。

『赤痢』とは、赤痢菌という細菌によって引き起こされ、下痢・発熱・血便・腹痛などをともなう大腸感染症で、赤痢菌がついた食べ物や飲み物を口にすることでも症状が起こる可能性があります。

日本では、男性同性愛者間の性感染症(STD)として流行しており、赤痢アメーバ症感染とともに梅毒HIVとの混合感染の症例が増加しています。

赤痢アメーバとは?

赤痢アメーバは、ヒトに病原性を持つ腸管寄生性原虫の代表的存在で、日本では、男性同性愛者間に性感染症として流行していることが知られています。

赤痢アメーバには、ヒトに病原性を持たない「非病原種」と、病原性を持つ「病原種」の2種類が存在します。
非病原種が約90%、病原種は残りの約10%と言われており、病原となる病原腫は比較的少ないですが、病原種の赤痢アメーバに感染した世界人口は約5000万人と考えられており、その多くは発展途上国に集中しています。

しかし、ほかの寄生虫感染症に比べて日本でも多くの感染が発症例があります。また、赤痢アメーバ症は、年間700~800人ほどの報告あり性感染症以外では、発展途上国からの帰国者(来航者)の感染事例などが報告されています。

赤痢アメーバ症の症状と潜伏期間、感染経路について

赤痢アメーバ症の主な症状と潜伏期間

感染してから症状が出るまでの期間、つまり潜伏期間はおおよそ1週間~4週間程と言われています。

症状としては、下痢、粘血便などの症状が表れ、排便時に下腹部に不快感やうずく様な痛みがあります。無症状のこともありますが病気は進行し、肝臓に大きな膿のかたまりを作っていることもあります。

また、赤痢アメーバ症の症状は大きく分けて、アメーバ性大腸炎とアメーバ性肝膿瘍があります。

種類 主な症状
アメーバ性大腸炎
  • 下痢
  • 粘血便
  • 便意をもよおすのに排便がない、または少ない
  • 排便時の下腹部疼痛

※肝膿瘍などの合併症を伴わない限り一般的には発熱は見られません。発症はゆるやかで症状が悪化したり、軽減または消失を数か月から数年間にわたって繰り返すことがあります。

アメーバ性肝膿瘍
  • ・発熱(38~40℃)
  • ・上腹部痛
  • ・肝腫大
  • ・寝汗

※肝膿瘍は高熱を伴い、右胸膜炎や横隔膜挙上を示す症例も多く、乾性咳嗽や右肩甲部痛を訴えることもあります。

赤痢アメーバ症の主な感染経路

主な感染経路は性行為(セックス)ですが、特にアニリングスなどのオーラルセックスなど、赤痢アメーバ感染者の肛門と口唇とが直接接触するような行為によって感染します。そのため、男性同士の性行為などで感染者が多いとされています。

また、赤痢アメーバのシスト(嚢子)が付いた食べ物や飲み物を口にすることで発症することもあります。

point.シストとは一時的に体表に硬い膜をつくり休止状態となった赤痢アメーバのこと。

痔と勘違いすることも

赤痢アメーバ症は『』と勘違いされ放置される傾向があります。

赤痢アメーバは消化器官から侵入して大腸まで到達すると、大腸粘膜に潰瘍性病変を形成し、アメーバ性大腸炎を引き起こします。症状は、下痢・粘血便・直腸のけいれん・排便時の下腹部疼痛などがでます。

最も多くみられる症状は、血液と粘液が混和したイチゴゼリーのような粘血便です。量が少ない場合にはトイレットペーパーに血液が少量付着する程度のため痔と自己判断する症例も少なくない状況です。

赤痢アメーバ症の検査や治療について

赤痢アメーバ症の検査は何科?

赤痢アメーバ症の検査を受けることができる医療機関は『内科』か『感染症科』です。

赤痢アメーバ症の検査方法

赤痢アメーバ症の検査はアメーバ赤痢をひきおこす原虫を糞便から検出する検査で『アメーバ性大腸炎』か『アメーバ性肝膿瘍』によっても異なります。

症状 検査方法
アメーバ性大腸炎
  •  糞便、または大腸粘膜からの顕微鏡的、免疫学的、あるいは遺伝子診断で赤痢アメーバを検出する
  • 大腸内視鏡像でアメーバ病変を確認する
  • 血清中に赤痢アメーバ抗体を検出する 
アメーバ性肝膿瘍
  •  超音波やCTにより肝臓に低吸収領野を証明する
  •  膿瘍内容を穿刺またはドレナージにより採取し、その排液中に赤痢アメーバを証明する
  • 免疫学的方法、特に血清アメーバ抗体価の上昇を証明する

赤痢アメーバ症の治療方法

大腸炎、肝膿瘍のいずれの場合にも、赤痢アメーバ症に対する第一選択薬剤は、5-ニトロイミダゾール系製剤で、治療方法としてはメロトニダゾールを7~10日間服用します。

メロトニダゾールは、当初はトリコモナス感染症治療薬でありましたが、様々な微生物への殺作用が確認され適応は広がりました。服用中は悪心、嘔吐などの副作用を発現することもあり、投与中および投薬終了後1 週間は禁酒とします。このほか、鬱傾向や運動失調、めまい、白血球減少、発疹などの発現も副作用として報告されています。副作用が強く出た際は、かかりつけ医に相談してください。

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