『精子(精液)が黄色っぽいけどこれって性病?』
『黄色っぽい精子(精液)がずっと続いている…』
通常、精子(精液)は白っぽい色~透明な色をしています。まれに黄色っぽい色の精子(精液)が出ることがあり、特に病気でもなんでもないときと、性病など何らかの病気を疑ったほうが良い場合があります。
普段は気にならないのに、急に黄色っぽい精子(精液)が出た場合、もしかしたら何らかの病気かもしれません。最近、『風俗に行った』『セックスパートナーがかわった』『不特定多数とセックスした』という方は、性病の疑いが強まります。今回は、精子(精液)が黄色っぽくなる主な原因について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
そもそも精液は何で出来ているの?
精子(精液)が黄色っぽくなる原因の前に、まずは精子の成分と色について説明します。
精液の成分の色について
精液の中には精子がいます。精液はすべて精巣(タマ)でできていると考えている人もいるかもしれませんが、実はそれは間違いで、精液の中に精子はほんの数%しか含まれていません。
精液は『精漿(せいしょう)』で生成される液体成分と、『精子』である細胞成分で構成されており、精液の90%以上は、精嚢(せいしょう)と前立腺液が混じり合ったもので、精子自体の割合はかなり少ないのです。
精子(精液)をそのまま置いておくと、数分から10分ほどで『液状化』という現象が起き、それまでドロドロネバネバだった精液がサラサラになって混ざり合い、全体的に透明になったように見えてきます。
精液の成分 | 主な色 |
---|---|
精嚢液 | 黄色っぽい |
前立腺液 | 白っぽい |
精嚢(せいしょう)の分泌液と前立腺液は、別々の場所で生成されるため、射精直後は完全に混ざり合っておらず、精嚢液の黄色っぽさが目立つケースがあり、これは特に健康上問題ないことが多いです。
余談ではありますが、避妊手術のためにパイプカットした男性も、精液をだすこと、つまり射精することができます。
それは、手術によって精巣から精子を運ぶ精管を切断したために、射精する際には精子は出てきません。パイプカットした人の精液は、精嚢液(せいしょうえき)と前立腺液のだけで、精液が混ざっていないため妊娠しない仕組みになっています。
ですが、その他にも感染症などによって精液の色に変化がみられるケースがありますので以下を参考にしてください
精子(精液)が黄色っぽくなる5つの原因
精子(精液)が黄色っぽくなる主な原因は以下の通りです。
- 射精直後
- 前回の射精から間隔がかなりあいている
- 濃精液症
- 前立腺の炎症
- クラミジアなどの性病に感染している
原因1.射精直後で黄色っぽい精液が出ることがある
1つ目に、上記でも説明しました射精直後で黄色っぽくなったケースです。射精直後は、もともと黄色っぽい精嚢液(せいしょうえき)と白っぽい前立腺液が混ざり切っていないため、このような現象が起こる場合があります。
この場合は、特に健康上問題はないと言えるでしょう。また、体質的に、精子(精液)がもともと黄色っぽい男性も一定数いるとのこと。
原因2.前回の射精から間隔がかなりあいている
前回の射精からの間隔があいている場合、例えば、1ヵ月~数ヵ月以上間隔があいた際に、精子(精液)が黄色っぽくなることもあります。これは、もともと黄色っぽい色の精嚢液(せいしょうえき)が、濃厚さを増すためです。
point.前回の射精から時間の経過が長い場合、このようなケースがありますが、『急に精子(精液)が黄色っぽくなった場合』は要注意です。以下の原因3~を参照してください。
原因3.濃精液症で精液に白血球が混ざっている
膿精液症とは、精液の中に血液の細胞成分である白血球が混入している状態を示します。
本来、精液には赤血球や白血球などの血液が混ざらないため、白血球が混ざっていること自体イレギュラーな状態で、この場合は問題がある黄色っぽい色となります。
膿精液症は感染症などの疾患によって引き起こされる場合と、 こうした原因となる疾患が見つからない特発性の膿精液症があり、自然に治るケースもありますが、原因菌によっては治療が必要です。
point.感染症の主な原因菌は、一般的な細菌や大腸菌などを始め、性感染症(STD)の病原菌であるクラミジア、淋病、マイコプラズマ・ウレアプラズマなどが考えられます。
原因4.前立腺が炎症を起こす前立腺炎
前立腺炎とは、尿道から雑菌が入り細菌性尿道炎を起こした後、その細菌が前立腺まで到達し炎症を起こす病気です。
クラミジアや淋病などの性病の病原菌に感染して、そのまま放置していることで前立腺炎となってしまう可能性があります。性病に感染しても無症状(症状があっても気づかない程度)が多いため、前立腺まで菌が到達してしまう可能性があります。
point.男性が淋病に感染すると、性器の強い痛みやかゆみ、黄色っぽい膿(うみ)が出るケースがあります。しかし、クラミジアに感染した男性の多くは、無症状が多いため、気付かないうちに重症化するケースがあるため注意が必要です。
原因5.クラミジアなどの性病に感染している
急に精子(精液)が黄色っぽくなった際は、クラミジアや淋病などの性病に感染している可能性があります。クラミジアや淋病などの性病に感染することで、尿道炎を引き起こし、さらに身体の奥に侵入し、前立腺などの炎症の原因となります。
【重要】精子(精液)の色が赤っぽかったら
普段は白っぽい精子(精液)が赤くなる場合があり、精液が赤くなる状態のことを【血精液症】と言います。血精液症は、字の通り精液に血が混じった状態であり、精液が赤、ピンク、茶色、オレンジっぽい色になります。
大きな病気があると思われがちですが、ほとんどの場合は何も問題ない場合が多いです。ですが、上記と同様に、クラミジアや淋病などの性感染症の可能性もあるため、念のため検査しておくことを推奨しています。
また、高齢者の場合、ごくまれに前立腺がんが隠れている可能性があります。前立腺がんは、血液検査である程度は判定可能で、50歳以上の男性で、精液に血が混じる場合は、一度泌尿器科を受診しましょう。
性病に感染する機会はあった?
急に精子(精液)が黄色っぽくなった際は、性病に感染している可能性も捨てきれません。ここ数日から数か月の間に、感染機会があったか確認してみましょう。以下のような感染機会があった方は特に要注意です。
- 最近、風俗に遊びに行った
- セックスパートナーが変った
- 不特定多数とセックスした
- セックスパートナーが浮気をしていた
- 彼女が風俗で働いている
このような場合は、クラミジアや淋病などの性病に感染している可能性があるため、それが原因で精子(精液)が黄色っぽくなったのかもしれません。
特にクラミジアや淋病は風俗界で多くの感染者が確認されている上に、1回の性交で感染する確率は、約30%~50%といわれています。感染機会に心当たりがある方は、風俗別感染リスクや、性病の潜伏期間一覧、性病の症状検索を参考にしてください。
不安になったら性病検査を
精子(精液)が黄色っぽいからといって、必ずしも病気というわけではありません。病院で受診しても、治療が必要ない場合も多くあります。
しかし、まれに何らかの病気が隠れている可能性もありますので、もし精子(精液)が黄色っぽくなる状態が続くのなら、検査を受けて調べてみるのも良いかもしれません。