『性病は性行為(膣性交)によって感染するものだと思っていたけど…大人のおもちゃの使い回しによって性病に感染する可能性はあるのでしょうか?』
実は、大人のおもちゃの使い回しでも、状況や使い方によっては性病感染することが十分にあり得ます。
一度使用した大人のおもちゃでも、使用後に綺麗に洗い流して清潔に保管できていれば、まず性病に感染することはありません。
しかし、性病は体液や血液を介して感染することもあるため、感染者の体液などが大人のおもちゃに付着した状態で他の人に使用すると性病に感染してしまう恐れがあります。
- 3Pなど複数人でのプレイで同じ大人のおもちゃを共有した
- レズセックスでディルドを交互に使用した
- アナル用のおもちゃを交互に使用した
- 相手の体液が着いた大人のおもちゃを舐めた
上記のような大人のおもちゃの使い回しを行った場合、性病に感染する可能性が高まります。大人のおもちゃに体液(愛液などの膣分泌物や血液など)が付着した状態での使用は性病感染のリスクの観点から危険と言えるでしょう。
大人のおもちゃの使い回しで性病感染するリスク
①ローターや電マ
②膣挿入するバイブなど
③アナル専用のグッズ
では、それぞれ説明していきます。
ローターや電マの使い回しによる性病感染リスク
他人に使用したローターや電マを、服の上から当てる程度では性病に感染するリスクは低いと言えます。
ですが、性器に直接当てて体液が着いたローターや電マを、そのまま他の人に使用することで性病に感染するリスクが高まります。
この場合、クラミジアや淋病、トリコモナス、梅毒などに感染することがあります。他の性病に感染する可能性ももちろんありますが、これらは感染者が多い性病の代表例です。
ローターや電マのように、膣や肛門に挿入しないタイプのおもちゃは比較的性病に感染するリスクは低いと思われがちですが、それでも他人の体液が大人のおもちゃを介して自分の性器(粘膜)や傷口に付着することで十分に性病感染する可能性があるでしょう。
また、洗浄不足のローターや電マを使用することは危険です。特にヘッド部分に溝があるタイプの電マは、その溝の中に汚れがたまるため綺麗に洗っているつもりでも洗い切れていないケースもあります。清掃不足で体液が付着したままの場合は感染のリスクが高まります。
バイブなど膣に挿入する大人のおもちゃの使い回しによる性病感染リスク
膣に挿入したバイブなどの大人のおもちゃを、すぐに他の人に使用することは危険です。片方の人が感染者の場合、高確率で何らかの性病に感染してしまったと考えたほうが良いでしょう。
一般的な性病感染は、男性器と女性器の粘膜同士による接触感染が多いですが、先ほども申し上げた通り、バイブなどの大人のおもちゃを介して、感染者の体液や血液が自分の性器(粘膜)や膣内の傷口に付着することで性病に感染することがあります。
バイブの使い回しによる感染しやすい性病としてはクラミジアや淋病、トリコモナス、カンジダなどが挙げられます。
また、膣内はデリケートなためバイブなどの大人のおもちゃを挿入することで、目に見えない小さな傷がつく可能性が高く、梅毒やHIVなど血液を介して感染する場合があります。
特に、膣内に傷が付くような激しいバイブの使い方を行ったり、経血を伴う生理中の性行為は、血液感染のリスクが高まるため危険です。
その他にも、使用して体液(愛液や血液)が付着した大人のおもちゃを舐めることも性病感染リスクを高めます。クラミジアや淋病のように、咽喉(のど)に感染する性病もあるからです。体液のついた大人のおもちゃを舐めることは、フェラやクンニなどのオーラルセックスと同様、性病感染する可能性があります。
アナル専用の大人のおもちゃの使い回しによる性病感染リスク
アナル専用の大人のおもちゃの使い回しも性病に感染するリスクが高いと言えます。
一見、アナルセックスを含むアナル専用のアダルトグッズの使いましは『あんまり性病に感染しないんじゃないか…』と思われがちですがそれは誤りです。
なぜなら、感染者、感染率が共に高いクラミジアや淋病は肛門や直腸にも感染して発症します。また、血液感染する梅毒やHIV(エイズ)もアナルセックスによって感染者が増えているのです。
肛門や直腸内は、膣よりもデリケートな(そもそも肛門は外から何かを入れる構造になっていない)ため、膣用よりも細めに作ってあるアナル専用アダルトグッズであっても、目に見えない傷が付きやすいと言われています。
特に、アナルプレイに慣れていない人はその分出血のリスクが伴います。
『十分なローション(潤滑剤)が使用されず摩擦が起こりやすくなっていた』
『アナルプラグなどによって十分なアナル拡張ができていない』
『無理して太めのアナルグッズを使用した』
など、このような場合はより出血を伴う性行為に繋がります。
アナル専用の大人のおもちゃの使い回しは、膣専用のバイブよりも血液感染のリスクが高いと言えるでしょう。
綺麗に洗った大人のおもちゃの使い回しは大丈夫?
では、一度しっかり洗って、後日その大人のおもちゃを使用した場合はどうなのでしょうか?
一般的には、使用後にしっかり綺麗に清掃された大人のおもちゃの再利用(使い回し)は性病感染リスクはかなり低いとされています。
そもそも、性病の原因となる病原菌やウイルスは、人の細胞内でしか生息できない種類が多く、例えば前日に使用したアダルトグッズに付着している病原菌はほぼ死滅するでしょう。
ただし、使用後に洗われていなかったり、適当に洗って体液が付着している場合は危険です。洗い損じで大人のおもちゃに付着したままの体液の中では、性病の病原菌やウイルスが生きている可能性があります。
また、清潔に洗われていない大人のおもちゃには、性病の病原菌だけではなく、通常の雑菌も付着して増殖してしまうため、性病じゃなくても雑菌によって性器の炎症になってしまう恐れがあります。
大人のおもちゃの使い回しで感染しやすい性病と潜伏期間
感染しやすい性病とは
大人のおもちゃの使い回しで感染しやすい性病は、クラミジアや淋病などがあげられます。これらは通常のセックスでも感染者や感染率が高い性病で、その感染率は1回のセックスで約30%~50%と言われています。その他にも感染者が比較的多いトリコモナス、性器ヘルペス、カンジダ症なども気を付けたいところ。
また、出血を伴う激しいおもちゃの使い方をしてしまうことで、血液感染する梅毒やHIV(エイズ)、B型肝炎、C型肝炎に感染してしまう恐れがあります。
いずれの性感染症も、大人のおもちゃを清潔に管理できていれば必要以上に心配することは不要と思われます。
ですが、『体液が着いた大人おもちゃを使い回しすること』や『綺麗に洗われていない大人のおもちゃを再利用』することは、相手の体液が直接自分の性器に触れるという意味で、コンドームなしでセックスすることと同じようなものなものです。
こういった大人のおもちゃの使い方は危険な行為ということは認知しておくべきです。
主な性病の潜伏期間
性病は、その種類によって潜伏期間が異なります。以下で主な性病の症状と潜伏期間を一覧でまとめています。
性病名 | 潜伏期間と主な症状 |
---|---|
クラミジア |
症状(男性):尿道のかゆみや違和感、排尿痛 症状(女性):尿道のかゆみ、排尿痛、おりものの増加、不正出血 潜伏期間:3日~3週間 |
クラミジア(のど) |
主な症状:のどの痛みや腫れ、せき 潜伏期間:1週間~2週間 |
淋病 |
症状(男性):尿道の痛みやかゆみ、排尿痛、性器が熱を持った感じ、黄色っぽい膿(うみ) ※淋病は男性に症状が出やすい 症状(女性):性器の違和感、おりものの増加や、不正出血 潜伏期間:2日~2週間 |
淋病(のど) |
主な症状:のどの痛みや腫れ、せき 潜伏期間:1週間~3週間 |
膣トリコモナス症 |
症状(男性):尿道の痛みやかゆみ、排尿痛、熱を持った感じ、膿(うみ) 症状(女性):外陰部の強いかゆみや痛み、性交痛、排尿痛、泡状で強いニオイのおりもの 潜伏期間:1週間~2週間 |
梅毒 |
主な症状:痛みのないしこり、太もものリンパのハリや痛み、全身の斑点 潜伏期間:10日~2ヵ月 |
尖圭コンジローマ |
主な症状:外陰部や肛門周辺に乳頭状のイボ 潜伏期間:3週間~8週間 |
亀頭包皮炎 |
症状(男性):痛みやかゆみ、赤くなる、ただれ 潜伏期間:1日~1週間 |
性器ヘルペス |
症状(男性):ヒリヒリ感やかゆみ、かゆみをともなった赤いぶつぶつや水ぶくれ、ただれ、リンパの腫れや痛み 症状(女性):かゆみをともなった赤いぶつぶつや水ぶくれ、ただれ、リンパの腫れや痛み 潜伏期間:3日~1週間 |
カンジダ |
症状(男性):かゆみ、あかいブツブツ、小さな水ぶくれ、ただれ、皮がめくれる 症状(女性):おりものの増加、外陰部や膣のかゆみや痛み、白くてヨーグルト状のおりもの 潜伏期間:2日~1週間 |
症状(男性):軽い痛みやかゆみ、不快感、膿(うみ) 症状(女性):軽い痛みやかゆみ、おりものの増加 潜伏期間:1週間~5週間 |
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症状(男性):下痢、粘血便、下腹部痛、発熱 症状(女性):軽い痛みやかゆみ、おりものの増加 潜伏期間:1週間~4週間 |
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主な症状:陰毛のかゆみ、恥骨周辺のかゆみ、褐色の虫がいる、灰色がかった楕円の卵の様なものがある、下着に黒色の斑点の跡がつく 潜伏期間:1ヵ月~2ヵ月 |
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HIV(エイズ) |
主な症状:インフルエンザのような症状、悪性腫瘍、さまざまな感染症 潜伏期間:3ヵ月~10数年 |
B型肝炎 |
主な症状:全身の倦怠感、食欲不振、気持ち悪さ、嘔吐 潜伏期間:1ヵ月~6ヵ月 |
C型肝炎 |
主な症状:体のだるさ、食欲不振、嘔吐 潜伏期間:2週間~6ヵ月 |
point.注意点としては、潜伏期間は個人差があり、感染していても症状がでないケースが大半です。もし、性病に感染するような心当たりがある方は、症状が出ていなくても検査をしておくと安心できます。
大人のおもちゃの使い回しで性病感染を防ぐ方法
では、大人のおもちゃの使い回しで性病に感染しないようにするためにはどのようなことに気を付けなければいけないのでしょうか?
- 同時に複数人と共用しない
- 体液(愛液や血液)が付いた状態で他の人に使用しない
- 綺麗に洗って乾燥させてから使用する
- 風俗店やラブホなどの大人のおもちゃを使用しない
- ラブホなどの電マはコンドームを付けてから使用する
重複しますが、体液が付着した大人のおもちゃを使い回すことは、ある意味コンドームなしでセックスしているようなものなので、同時に複数の人に大人のおもちゃを使用することは避けましょう。
逆に言えば、使用後にしっかり洗って清潔に保管すれば性病に感染することはまずありえません。次回使用する予定のある大人のおもちゃはきちんと洗って保管しましょう。
それから、よく『ラブホや風俗店の大人のおもちゃは大丈夫?』という問い合わせがありますが、結論から言うと出来れば利用しないほうが良いでしょう。
どちらの大人のおもちゃも洗ってあるはずですが、洗い方や保管方法が見えないため不安が残ります。そもそも、何人もの知らない人が使用した大人のおもちゃを使うのは気持ち的にも抵抗がありますよね…。
大人のおもちゃの使い回しで性器に異変を感じたら
大人のおもちゃを他の人と共用して数日~数か月後、性器に何らかの異変を感じたら、もしかしたらそれが原因で性病に感染している可能性があります。
そもそも、性病に感染しても無症状の人が多い中、性器に症状が出ているなら、何らかの性病に感染している確率が高いと言えます。
性病は、そのまま放置しても自然治癒しないため適切な治療が必要です。
でも、性病検査は『恥ずかしいから…』や『病院で陰部を診られるのがちょっと…』『誰かにバレたら…』とそのまま放置してしまう人も多く、余計に悪化したりセックスパートナーに感染を広げてしまうことが多々あります。
通常、病院での性病検査を推奨していますが、今は誰にも知られずに自宅で出来る性病検査キットというものがあります。(会社などの定期健診や健康診断などで行う、郵送検査の『検便』のようなイメージです)
もし、『病院い行くのがイヤだな…でも検査はちょっと…』と躊躇している方は、別ページで『性病検査キット』について解説していますのでぜひご覧ください。