クラミジアは最も感染者が多い性感染症のひとつです。簡単に治るイメージがありますが、実はしつこくて、治ったと思っても、実は完治していなくて再発することが多い性病です。
今回は、クラミジアが治らない原因と対処方法について解説したいと思います。ぜひ最後までご覧ください。
クラミジア感染症とは?
クラミジアは、国内での感染者数が100万人以上といわれています。特に10代後半~20代にかけての感染者が多く、厚生労働省の調査によると、平成31年/令和元年には20~29歳女性の国内感染報告数が過去10年で最多を更新しています。
クラミジア感染症は、日本で最も多い性感染症(STD/性病)の一つです。性行為などを感染経路とし、唾液や分泌液に存在する「クラミジア・トラコマチス」という細菌が粘膜から侵入し、性器やのど、直腸などに伝染することで発症します。
性行為での感染率が30〜50%と他の性感染症に比べて高く、若い世代への感染が多いのが特徴です。
感染してから症状が現れるまでの潜伏期間は1週間~3週間ですが、潜伏期間を超えても自覚症状が出にくいため、いつ感染したかが極めて分かりにくくなっています
クラミジアは喉(のど)にも感染します。オーラルセックスが一般的が進む近年は、性器だけでなく、喉(のど)にも感染し、喉のイガイガなど普通の風邪のような症状を引き起こします。
クラミジアが治らない考えられる原因とは
クラミジアの再陽性率は15 ~ 30%と言われています。クラミジアに感染し、病院で治療した人のクラミジアがなかなか治らない、完治せずに再発してしまう原因は、さまざまな要因が考えられます。
- セックスパートナーが感染していてピンポン感染を引き起こしている
- 独自で判断した治療薬を服用している
- 症状が治まったからといって途中で治療をやめてしまった
- ジスロマックが効きにくいタイプの菌に感染している
- 細胞分裂周期のかねあいで1度の治療で完治されない場合がある
1.パートナーとピンポン感染
もしかしたらセックスパートナーとピンポン感染を引き起こしているかもしれません。
片方がクラミジアの治療を終えていても、もう片方が治療していない、または治療を終えていない状態でセックス(性行為)をすることで、お互いに移し合ってしまっている可能性があります。
実は、クラミジアに感染しても症状が出ない場合が多いのです。女性の約8割、男性の約5割の方は無症状やほとんど分からないくらいの症状です。一見感染していなくてもセックスパートナーも一緒に検査や治療を行うことが大切です。
point.クラミジアの治療が完了するまで性行為は控えたほうが得策です。
2.独自で判断した治療薬や治療方法を行っている
クラミジアの治療薬を独自の判断で購入したり、独自で購入した治療薬を服用している場合、体内のクラミジアを排除しきれずにクラミジアを再発させてしまう可能性があります。
クラミジアの治療は抗菌薬(抗生物質)の服用となります。クラミジアの治療薬は以下の種類が主流です。
- アジスロマイシン(ジスロマック)
- クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)
- レボフロキサシン(クラビット)
- シタフロキサシン(グレースビット)
point.以前は、クラミジアの抗生剤としてはクラビットが主流でしたが、ジスロマックは初日に服用するだけで抗菌作用が1週間ほど続くため、今はジスロマックが主流となってきています。
3.症状が治まったから治療を途中でやめてしまった
治療期間としては、1週間程度の服用で治る方が多いですが、個人差があり2週間~4週間かかることもあります。
抗生物質を服用して1週間ほどで症状が無くなっても、体内のクラミジアが完全に抜けきっていない状態で薬の服用を自己判断でやめてしまうことで、生き残っているクラミジアが徐々に増殖していき再発する場合があります。
そのため、抗生物質を服用したとしても、完治したかどうかは服用後の再検査が不可欠です。
point.クラミジアの治療は、再検査後【陰性】となって初めて治療完了します。必ず再検査を行いましょう。
4.クラミジアは10人に1人くらいは1度の治療で治らない?
クラミジアと診断されたら、まずはジスロマックで治療することが多いでしょう。ほとんどの方は、一度の治療で治りますが、この治療薬が効かないタイプの菌に感染している場合があるため、いったん症状が治まっても確認検査が必要です。
性病を専門とするあるクリニックでは、おおよそ10人に1人くらいが1度の治療で治らなかったデータもあります。確認検査にて陽性判定となったら、違う治療薬で治療していく場合があります。
5.クラミジアの細胞分裂周期は72時間前後と長い
クラミジアの細胞分裂周期は72時間前後と長く、しかも人間の細胞の中で細胞分裂しています。細胞の中で増殖すると、その細胞を破壊してまた新しい細胞に寄生して感染を広げます。このサイクルは3~4日に1度の周期で繰り返されます。
クラミジアの抗生物質が最も効果的なのは細胞分裂の最終段階です。要するに抗生物質が有効なのは細胞の外に出てきた時期ということです。
この時期がめぐってくるのに時間がかかることと、細胞の中に抗生物質が入りづらいことから、抗生物質が一番有効なタイミングがうまく嚙み合わず治療期間が長引いてしまう可能性があります。
point.いずれにせよ、クラミジアの治療は再検査で【陰性】を確認するまで安心できません。
クラミジアが治らないときの対処方法
まれにではありますが、クラミジアは1年程度で自然治癒する可能性もあります。しかしクラミジアの放置は慢性的な腹痛、卵管閉塞など合併症のリスクが高くなるため、必ず完治するまで治療を続けましょう。
セックスパートナーの検査と治療を同時に行う
クラミジアは完治すれば「再発」することはありません。しかし完治したとしても、パートナーが治療をしていなければ、パートナーとの性交渉で「再感染」してしまう可能性が高くなります。
ディープキスやオーラルセックス(フェラなど)によって喉(のど)へ再感染する可能性もあります。
クラミジアに限らず、性感染症ではパートナー同士がお互いに感染させあうピンポン感染が非常に多くなっています。ご自身だけでなく、セックスパートナーも一緒に治療し、治癒後も感染予防に努めましょう。
クラミジアの再検査を行い治療を続ける
クラミジアの治療を始めてから、一度も性行為(ディープキスやオーラルセックスも含む)がないのに再発してしまう方は、薬の治療期間中に途中でやめてしまった、再検査を怠ったなど、何らかの原因で治療期間を終えても完治できなかった可能性があります。
一般的に、クラミジアの治療は1週間~2週間程度ですが、個人差もあり3週間~4週間ほどかかる人もいらっしゃいます。クラミジアは体内にいる限り、増殖して再発してしまいます。クラミジアの治療は再検査で【陰性】となるまでしっかり続けましょう。
クラミジア以外の性病を疑う
クラミジアに限らずですが、性病の症状が治らない方は、他の性病の感染も疑いましょう。実は性病は、同時に2種類以上に重複して感染することもあります。
特に最初の検査でクラミジアのみの検査しかしなかった方は、念のために他の性病検査も行ったほうが良いでしょう。特に、比較的症状が似ている淋病は、クラミジアと重複感染の事例が多く要注意です。
淋病に限らずですが、性病の種類によって治療薬が異なります。そのため、クラミジア以外にも他の性病に感染している場合は、その性病に合った適切な治療薬が必要なのです。
\性病検査・治療薬の受け取りが郵送でできる!/
⇓複数同時検査も可能!⇓