病院にて性病治療を受ける際、『親や身内にバレたらどうしよう…』『保険証を使用するとどうなるの?』などなど、不安や心配になることもありますよね。性病の治療は何かとデリケートな問題だからなおさらです。
保険適用と保険適用外の治療の違い
まず初めに、保険診療と自由診療について簡単に解説していきます。
項目 | 説明 |
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保険診療 |
保険診療とは、健康保険等の公的医療保険制度が適用される診療のことです。各疾患に応じて検査や治療内容等が決められているので、その制限内での治療等をしなければなりません。 ※保険証を提示することで治療費の3割負担で治療が可能です。 ※クラミジアなどの性病の治療に関してはどの医療機関でも保険診療が可能です。 |
自由診療 |
自由診療は、保険が適用されない診療のことで、厚生労働省が承認していない治療や薬を使うと自由診療となり、その他本来健康保険が適用される治療も含め、全て自己負担(10割負担)となります。 自由診療の例として、例えばがん治療において最先端の未承認の抗がん剤を使用する場合が挙げられます。 その場合、抗がん剤費用だけではなく、その他の本来健康保険が適用される治療も含め、すべてが保険適用にならないため、全額自己負担になってしまいす。ケースバイケースですが、自己負担がかなり高額になることがあります。 ※保険証を掲示せずに治療を行えますが、治療費を全額負担する必要があります。 ※”性病検査”に関しては、ほとんどの医療機関で自由診療の対象となっていることが現状です。症状がない場合はの性病検査は、自由診療とする医療機関が多数です。一方で、診察の上、何らかの症状が確認された場合は保険診療に切り替える場合もあり、診察前に検査を受ける医療機関に確認が必要です。 |
保険診療の場合、公的医療保険制度の中で全国一律の値段が決められていますので、同じ検査・同じ処置・同じお薬であれば、どの医療機関でも基本的に同じ価格で受けることができます。
一方で、自由診療の場合は、各医療機関が独自に料金を設定することができます。
そのため、同じ検査や処置、同じお薬であっても、どの病院・クリニックで受けるかによって、大きく料金が違うことがあります。
性病治療で保険証を使用して身内にバレるリスク
続いて、性病治療を保険診療、つまり保険証を提示して治療行う場合の、親やパートナーに知られてしまうリスクについて解説します。
保険証を使用してバレるリスクがある人とは?
あなた自身が社会保険等に加入している場合は特に心配する必要はないと思いますが、親や配偶者の扶養に入っている人の場合は、保険証を使用することでその内容が扶養者(親や配偶者)にバレてしまう恐れがあります。(※詳しくは下記で説明します)
例えば、あなたが学生で父親の扶養に入っている場合や、専業主婦で夫の扶養に入っている場合などが当てはまります。
性病治療で保険証を使用すると扶養者へ通知がある
- 病院などの医療機関で保険証を提示する
- 病院が保険証使用履歴を健康保険組合等に報告する
- 健康保険組合等が保険証の使用履歴を【医療費の通知】として会社に報告する
- 会社から社会保険の本人へ医療費の通知を行う
保険証を見せることで、病院での支払う診療費の自己負担が3割になり、残りの7割は、健康保険組合等(保険証を管理する組合など)が肩代わりしてくれます。
病院は、その7割を健康保険組合等から支払ってもらうため、保険証や診療の内容など(本人がどのような診療を受けたか)を健康保険組合へ報告します。そして、その内容を基に健康保険組合から扶養者に【医療費の通知】が届きます。
※健康保険組合によって『医療費の通知』や『医療費のお知らせ』等の名称が異なります。
※【医療費の通知】は、半年に1回送られてくる場合や、1年に1回まとめて送られてくる場合もあり、通知頻度も健康保険組合等によって異なります。
※扶養者とは、経済的な援助をする側の人を指す言葉で、一般的にはその世帯の世帯主となります。例えば、【父・母・子】で母と子は夫の扶養に入っている3人家族の場合、会社勤めの父が【扶養者】、母と子は【被扶養者】となります。
【医療費の通知】の内容はどんなもの?
医療費の通知は、保険の発行元から、貴方の保険証で一年間又は半年間にこれだけ受診したよ、という明細書のようなものです。
その医療費の通知内容は、その健康保険組合等によって多少異なりますが、一般的には、受信者名、受診年月日、医療機関名、かかった医療費、など記載されます。 誰が受診したかや、医療機関名が記載される場合とそうでない場合がありますが、保険証発行元によって異なります。
あなたが、例えば夫や父親の扶養に入っている場合、この通知書は夫や父親に届きます。一般的に【病名】等の記載はないため、どのような病気で病院で診療を受けたかまではわかりません。
しかし、受診した医療機関名、例えば【〇〇泌尿器科や〇〇性病科、〇〇レディースクリニック】などの表記がある場合は、ある程度察してバレてしまう可能性があります。
保険証を使用することで会社にバレる可能性がある?
結論から言いますと、保険証を使用しても治療内容は会社にバレません。医療情報は健康保険組合に渡りますが、会社側へは渡らないためです。
医療費の通知方法は、健康保険組合から保険者に通知されます。一般的な通知方法としては、事業主経由(努めている会社)で配られる場合や、郵送での場合、ネットでIDやPASSを入力して照会する方法等があります。
健康保険組合等から会社を通じて本人に通知書が渡される(または郵送される)ケースも多いですが、医療通知を個別に封筒に入れた状態で会社に送付されるため、その通知書を会社が勝手に開封して確認するということはありません。
ただし、誤って会社の担当者が開封してしまったり、自宅に届いた通知書を家族の誰かが勝手に見てしまう可能性があり、何らかのトラブルが原因で誰かに知られてしまうリスクがあることは覚えておいたほうが良いでしょう。
その他にも、会社自体には診療内容がバレることは一般的にはありませんが、健康保険組合には、「服薬情報に関する情報提供のお知らせ」等が医療機関から届くため、どんな薬を処方されたかが分かってしまいます。薬が分かればどのような病気にかかっているのかがある程度推測するため、健康保険組合には誰がどんな病気なのかも把握が可能ということです。
健康保険組合から個人の医療情報の流出は、プライバシーの観点からまずありえませんが、健康保険組合にも知られたくない場合は、健康保険証を使用する自由診療は避けたほうが無難と言えます。
性病治療で親や身内に知られない方法
ここでは、どのような医療機関を選んだほうが誰かにバレるリスクが低いのかを解説していきます。
性病治療は自由診療が可能な病院を選ぶ
性病治療で保険証を使用することで親や身内、または会社(健康保険組合等)に知られたくない場合は【自由診療】を選んだほうが無難といえるでしょう。
性病の検査や治療ができる病院の多くは、このようなプライバシーの観点から、検査から治療まで自由診療で対応しています。中には自由診療に対応していないケースもあるため、性病の検査や治療の際は、予約時などに『治療まで自由診療が可能か』を聞いておくと良いでしょう。
性病の再検査や通院も自由診療を選ぶ
一般的な性病の治療は、その原因菌を体から完全に排除するまで続きます。そのため、再発して再度治療するケースや、治療を終えるために最後に再検査を行います。
その再検査や、追加で処方された治療薬を保険証を提示して保険診療にしてしまうと、保険者に『医療費のお知らせ』として通知されてしまいます。
特に、性病の検査や治療において、途中で病院を変更した際は気を付けましょう。
病院へ行くリスクを考える人は薬を郵送してもらえる医療機関を選ぶ
性病の検査は郵送で可能な『性病検査キット』がある程度認知されていますが、実は医療機関によっては治療薬の郵送も対応している医療機関もあります。
病院で保険証を使用せず自由診療で治療してもらうことで、『医療費のお知らせ』等で誰かにバレてしまう可能性はありませんが、病院に通うところを誰かに見られてしまう恐れもあります。さらに、病院の待合室等で知人とバッタリ会ってしまった…病院のスタッフが知人だった…なんてトラブルも考えられなくはありません。
病院に通っているところや、病院内で知り合いとバッタリ会っても、どんな病気にかかっているかは知られることはありませんが、泌尿器科や産婦人科等で知人に見られたり会ったりすることを避けたい人が多いことも事実です。
そういったケースを回避するために、性病の郵送検査対応で、さらに治療薬を郵送してくれる医療機関を利用する手も1つあります。
当サイトでは、東京都葛飾区のばんどうクリニック監修のバクテリアラボを推奨しています。バクテリアラボでしたら性病の検査はもちろん、治療薬を郵送してくれますので、全国どこに在住でも性病の治療がスムーズに行えます。郵送で治療薬の受け取りを検討されている方は、下記の詳細ページをご覧ください。
性病の種類によってはご家族に正直に言うべき
性病の治療については、たとえ家族やパートナーであっても知られたくないものです。できれば誰にもバレずに治療まで終えたいと思うことが通常ですよね。しかし、性病の種類によってはご家族に相談したほうが良いケースもあります。
例えば、HIV(エイズ)に感染してしまったら、親やパートナーに相談してみましょう。減退の医療では、一度エイズウイルスに感染してしまうと体から完全に排除できないため、一生の付き合いとなることが大半です。
また、HIV(エイズ)は性行為でなくとも血液を介して感染します。そのため、カミソリの共有や、出血を伴う怪我をした際の応急処置や、妊娠や出産時の母子感染など、生活のさまざまな部分で家族との協力が必要な部分が出てきます。HIVに限らず、B型肝炎やC型肝炎にも同様に注意が必要です。
しかし、HIVなど生涯にわたって治療が必要な性病もあるため、感染した性病によってはご家族とよく話したうえで治療を進めていくべきです。
まとめ:誰にもバレずに性病治療するには保険証は使用しないほうが良い
性病治療において、保険証をみせて保険診療にすることで、扶養者に『保険料のお知らせ』が届きます。あなたが、親や夫の扶養に入っている場合は、保険料のお知らせによって、治療内容がバレてしまう可能性があります。
そのため、性病治療のことが身内に絶対バレたくない方は、保険証を使用せず自由診療を選んだほうが無難と言えるでしょう。
本来は、ご家族と相談のうえ、治療に専念したほうが金銭面的にも良いとは思いますが、性病治療というのはやっぱり身内であっても相談しにくいものです。病院側もそれを承知で、性病の治療は自由診療で対応してくれるところが大半ですので、自由診療を選択することは悪いことではありません。
それから、性病のほとんどは、放置しておいても自然治癒しないため治療が必要です。『家族にバレてしまうかも?』と心配して治療をためらうくらいなら、多少お金はかかってしまいますが自由診療ですぐに治療したほうが得策です。
今回は、性病の治療において『保険証の提示によって身内にバレるリスクと、自由診療と保険診療の違い』について解説しました。ぜひ参考にしていただければと思います。