性感染症はその感染した種類によって治療方法や治療期間、治療薬が異なります。そのため、感染した性病によって適切な処置を受ける必要があるのです。今回は、性病別で治療方法や治療薬について解説していきます。
性病の種類別で治療方法を解説！
主に性病科や泌尿器科、産婦人科や整形外科など治療が可能です。性病の治療方法は感染した病原菌、またはウイルスによって異なるため、それぞれ治療方法も異なります。
クラミジアの治療方法
クラミジアの治療は抗菌薬（抗生物質）の服用となります。 １週間程度の服用で治る方が多いですが、個人差があり２週間～４週間かかることもあります。 また抗生物質を服用したとしても、治療経過に個人差があり、完治したかどうかは服用後の再検査が不可欠です。
淋病の治療方法
淋病の治療には、抗生物質の飲み薬（アジスロマイシン(250㎎)4錠など）、点滴(セフトリアキソン)、筋肉注射(スペクチノマイシン)のいずれかを選択して使用します。 淋菌性尿道炎を疑う症状があれば、来院した日から治療を開始します。
治療期間は2～3週間が目安です。また治療後は、淋病の再検査が必要になります。淋菌が体内から完全に除去されていない状態では再発する恐れがあります。
トリコモナスの治療方法
トリコモナスの治療法は、口から薬を服用する「経口服用」と、膣に薬剤と投入する「膣剤」の2パターンです。 薬の使用以外に、膣を洗う「膣洗浄」も行う場合があります。
経口服用は胎児に影響を及ぼす可能性があるため、妊娠中は服用できません。また、女性の場合、残存膣トリコモナスが月経血中で増殖する為、次回月経後にも原虫消失の確認をする必要があります。
治療期間は7～10日程度で、腟トリコモナス症の治療薬には、メトロニダゾール、トリニダゾールなどが使われます。
カンジダの治療方法
カンジダの治療には、一般的には膣錠を処方します。 または、抗真菌薬の軟膏（クリーム）や内服薬を処方します。カンジダは常在菌の為、菌を完全になくすことは難しいですが、治療をして菌の量を減らしてくことで症状を緩和させます。
治療期間は6日前後が目安で、治療薬には抗真菌薬であるクロトリマゾールなどが使用されます。
尖圭コンジローマの治療方法
一般的な尖圭コンジローマの治療方法はおおむね３つあります。
１つ目に、【軟膏（イミキモドクリーム）】による治療で、ボ、イボ周囲に軟膏を塗布し、ウイルスに対する免疫力を高め、ウイルスの増殖を抑えます。そしてウイルス感染細胞の障害により、イボを排除させます。治療にかかる期間は症状によって変わりますが、16週間を目安に継続します。
２つ目に、【液体窒素による治療】があり、-196℃の液体窒素による凍結療法でイボを排除します。低温であるので冷たさと痛みは少しありますが、麻酔無しで行える治療です。
ただし、何度も繰り返し行う必要があるため、個人差はありますが時間がかかります。また、この治療のみだと再発の可能性も高いので軟膏（クリーム）も併せてでの治療をおすすめしています。
３つ目に、手術療法（電気メス、炭酸ガスレーザーなど）があります。目に見えるイボを直接切除、焼灼するので、すぐに取れます。主に、泌尿器科や産婦人科よりは、美容整形外科等で施術できる病院が多いです。但し、ウイルスに直接働きかける訳ではないので再発の可能性が高いです。尖形コンジローマは再発しやすい疾患ですなため、軟膏と合わせての治療を推奨しています。
梅毒の治療方法
梅毒の治療方法は、ペニシリン系の抗生物質の飲み薬や筋肉注射でなどがあります。 抗生物質の飲み薬であれば、毎日薬を服用する必要があります。 第1期であれば2～4週間、第2期であれば4～8週間の服用が目安になります。 抗生物質の筋肉注射も選択肢になりますが、治療開始が第１期なのか第２期なのか、それ以降なのか、治療を始めるタイミングや症状によっても異なります。
毛じらみの治療方法
ケジラミは陰毛の根元に付いていることが多く、その根元に1mm程度の黒い卵を産みつけます。毛じらみの治療方法としては、全ての毛を剃ることが最も簡単な方法ですが、陰毛だけでなく、周囲の毛も剃る必要があります。
その他には、毛じらみを殺虫するための治療薬として、専用のシャンプーやパウダーを使い、かゆみがある部分を洗い流します。日本で毛じらみ症の治療薬として認可されているのは、0.4%フェノトリンパウダー（スミスリンパウダー®）と0.4%フェノトリンシャンプー（スミスリンＬ®）の2剤です。 これらの薬はケジラミに対して効果はあるものの、ケジラミの卵に対しての効果は弱いです。そのため、すべての毛じらみが卵から孵化して、それらの毛じらみがすべて除去できるまで継続的に治療をつ続けます。
赤痢アメーバの治療方法
メトロニダゾール内服が第一選択です。 内服もしくは経口摂取が不能の場合は静注で治療を開始します。治療期間はおおよそ１０日～１４日後で、 治療効果判定のために糞便検査で赤痢アメーバの陰性化を確認する。
マイコプラズマ・ウレアプラズマの治療方法
マイコプラズマが陽性判定の場合、基本1週間服用する抗生剤を処方します。 ニューキノロン系の抗生物質を使用します。 ウレアプラズマが陽性であった場合、1回、もしくは1週間服用する抗生剤を処方します。
治療期間は10日～2週間ほどで、一回の治療での治癒率90～99％と言われていますが、治療後の再検査を必ず行いましょう。
HIV（エイズ）の治療方法
抗HIV薬について HIV感染症の治療は3～4種類の抗HIV薬を組み合わせて内服する多剤併用療法が基本です。 最近では、2〜3種類の成分が1錠の中に含まれた合剤が多数でており、1日1回1錠内服での治療も可能となっています。治療期間が長くなるため、患者自らが十分納得したうえで治療を開始することが重要です。
B・C型肝炎の治療方法
B型肝炎の治療方法は、主に抗ウイルス薬を使用したり、血液透析など肝臓の機能を補助する特殊な治療を必要とする場合があります。慢性肝炎と急性肝炎によっても異なります。
C型肝炎の治療方法は、2-3ヶ月集中して内服治療を行うことで初回治療では95％以上の方のウイルスを消失させるようになってきています。
性病の治療は医師の指示に従いましょう
感染した性病の種類によって、治療方法や治療薬が異なります。症状が治まってきたからと言って、独断で治療を中断してしまったり、処方された治療薬を飲まなくなってしまうことで、感染している性病の再発の原因となってしまいますので、医師の指示に従って治療を進めることが大切です。
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