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性病の種類と性病名

子宮頸がん・高リスク型HPVについて

子宮頸がんは、尖圭コンジローマでも解説させていただきました『ヒトパピローマウイルス(HPV)』が、子宮頸管にウイルスが残り、細胞をがん化させることで発症します。

HPV(ヒト・パピローマ・ウイルス)は、性行為の経験がある女性なら一生に1度は感染するといわれるウイルスです。このウイルスの持続感染により、良性なら尖圭コンジローマ(低リスク型HPV)、悪性なら子宮頸がん(高リスク型HPV)を発症することがあります。

今回は、子宮頸がんの原因である高リスク型(HPV)の症状や感染経路、検査や治療について解説したいと思います。

子宮頸がんとは?

子宮頸がんは、子宮の入り口の『子宮頸部』と呼ばれる部分から発生します。子宮の入り口付近に発生することが多いので、婦人科の診察で観察や検査がしやすく、発見されやすいがんといわれています。

また、早期に発見すれば比較的治療しやすいがんですが、進行すると治療が難しいことから、早期発見がとても重要です。 子宮頸がんは、進行することで、骨盤の中のリンパ節に転移したり、子宮を支えている靱帯を伝って広がったり、また血管やリンパ管を通って子宮から遠い肺などの臓器に転移したりすることがあります。

子宮頸がんの原因と傾向

子宮頸がんは、子宮頸管にウイルスが残り、細胞をがん化させることで発症します。子宮頸がんの原因のほぼ100%がヒトパピローマウイルス(HPV)です。

子宮頸がんの発症率は20代後半から30代で急増しており、若い女性を中心に増加傾向にあります。また、近年は、オーラルセックス(フェラやクンニ)により、咽頭(のど)等に感染し咽頭がんや口腔がんなどを引き起こす可能性があると言われています。

高リスク型(HPV)とは?低リスク型との違い

HPVとは、ヒトパピローマウイルス(human papilloma virus)の略で、現在までに100種類が確認されています。そのうち性器周辺に感染するウイルスは、40種類ほどあるといわれています。女性の場合、性行為があれば一生に1度は多くの方が感染するといわれています。

2008年に、子宮頸がんや陰茎がんと関連があるということが判明して以来、HPVは『高リスク型』と『低リスク型』の2種類に分類されるようになりました。

低リスク型HPVには、有名な6型や11型などの型があり、感染すると尖圭コンジローマという良性のイボを形成することがあります。

高リスク型のHPVは、16型や18型が代表的であり、高リスク型HPVに10年以上の長期間、持続的に感染した場合は、子宮頸がんや陰茎がんなどに進行する可能性が高まります

高リスク型のHPVに感染しても、ほとんどは、体に備わっている免疫の働きで、自然に排除されます。しかし、約10%は排除されずに残り、そのうちのごく一部が細胞を変化させます。これを「異形成(いけいせい)」といい、異形成のごく一部が、数年から十数年かけて、子宮頸がんに進展します。

子宮頸がん・高リスク型(HPV)の症状や感染経路

高リスク型HPVに感染しても、すぐに症状が出るわけではありません。

子宮頸がん・高リスク型(HPV)の主な症状

状態 主な症状
感染のみ
  • ほとんど無症状
子宮頸がんに進行
  • 性交時の出血
  • 生理以外での出血(不正出血)
  • おりものに血が混じる
  • 下腹部の痛み

子宮頸がん・高リスク型(HPV)の主な感染経路

ヒトパピローマウイルス(HPV)の主な感染経路は、セックスなどの性行為によって、皮膚や粘膜が接触することで感染します。オーラルセックスやアナルセックスもこれに含まれます。

近年、オーラルセックスにより咽頭等に感染し、がん化する可能性があると言われています。男性でもクンニングスなどの性交により咽頭へ持続感染することがあり、咽頭がんを発症する可能性があると言われています。そのため、男性は咽頭がんや、感染源にならないように注意が必要です。

子宮頸がん・高リスク型(HPV)の検査

子宮頸がんの検査は、主に『病院で検診』や『郵送検査でウイルスの有無を調べる』ことに分けられます。

子宮頸がん検診は婦人科(産婦人科)において、問診、視診、内診と医師が採取した細胞による細胞診を行います 。月経時は避けて受診しましょう。

性病検査キットでは、子宮頸がんの原因である高リスク型HPVの感染の有無を調べることができます。定期的に検査し、陽性の場合は病院へ行って、細胞の変化がないか調べる、というのもおすすめです。

point.定期的に高リスク型HPVと子宮頸がんの検診・検査を受けることをおすすめします。

子宮頸がん・高リスク型(HPV)の治療方法

早期がんは、手術や放射線治療を単独で行う治療が中心です。少し進行したがんは、手術後に抗がん剤治療や放射線治療を加えるなど、がんの進行度によって3つの治療法を組み合わせていきます。

治療の種類 説明
子宮を残す温存手術

早期のがんで妊娠の希望がある場合は、子宮を残す温存手術を検討します。

頸部の病変をレーザーで焼く方法や、レーザーや超音波メスを用いて、子宮頸部の一部を円錐状に切り取る方法などがあります。

子宮を切除する全摘出手術

子宮頸部の周りの組織は残し子宮だけを摘出する手術と、子宮と骨盤内のリンパ節を摘出する方法があります。

がんの進行度や組織のタイプなどを考慮して手術の方法を選択します。手術後は、再発のリスクに応じて、抗がん剤治療と放射線治療を組み合わせて行います。

放射線治療・抗がん剤治療 抗がん剤だけの治療や、放射線治療と併用する治療方法があります。


point.
年齢やほかの病気、妊娠の希望なども考慮し、担当医や家族とも十分相談したうえで、納得できる治療法を選択をすることが大切です。

子宮頸がんワクチンについて

子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染そのものを予防するためのワクチンもあります。

対象 9歳以上の女性
定期摂取の対象年齢 小学6年生~高校1年生相当
費用 自治体によって異なる。小学6年生~高校1年生相当の女性は原則的に無料で受けられる。定期接種の対象外の年齢の場合は自己負担。
副作用

発熱、接種部位の痛みや腫れなど。ごくわずかな方に、接種後、多様な症状が現れると報告されていますが、因果関係は明らかではありません。

日本では子宮頸がんで亡くなる人は、年間約3千人に上ります。HPVの感染を予防するワクチンの有効性とリスクをよく理解したうえで受けましょう。

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