淋菌感染症(淋病)は、主に性行為から感染する性感染症(STD)です。淋病の治療には、菌が原因のためその菌に効く抗菌薬(抗生物質)を服用します。
最近では、淋菌の適応進化によって、さまざまな薬剤に耐性のある淋菌が増えてきました。耐性菌を避けるように効果がある薬剤が使われ続けた結果、耐性菌は増加してしまったというわけです。残る抗菌薬(抗生物質)の種類はどんどん減ってきていることが現状です。
一方で、薬剤耐性を踏まえて医学も進歩しています。今回は、淋菌の治療方法と治療薬について解説したいと思います。
淋病の治療方法について
淋病を含む性感染症に感染したら必ず治療が必要です。それは、性病は自然治癒しない病気だからです。まずは淋病の治療方法について説明しますね。
淋病はどうやって治療するの?
淋病の治療は主に抗生剤の点滴か注射でおこなわれます。抗生物質の血中濃度が高ければ高いほど、淋菌の抑制効果も高まるため、点滴や注射での治療が推奨されています。
また、飲み薬の場合、症状が治まったからといって錠剤すべて飲み切る前に治療をやめてしまう患者、再診をしない患者も多く、淋病を再発してしまう人が多いことが現状です。
そのため、1回の投与でほぼ完治する点滴や注射での治療が増えてきています。また、男女とも基本的には治療方法は同じです。
point. ただし、症状が悪化している場合、例えば、尿道炎や子宮頚管炎が悪化し精巣上体炎や骨盤内炎症性疾患になっている場合などは、点滴や注射の回数が増えます。
淋病は飲み薬でも治療可能?
結論からいいますと飲み薬でも治療は可能です。
しかし、淋菌が進化して耐性菌が増えていることで、効果が出る症状が限られてきています。さらに、淋病には抗生物質の血中濃度が高ければ高いほど効くので、点滴や注射を第1選択薬として使用されています。
point. とはいえ、飲み薬の種類と症状によっては高い治療効果を期待できますし、点滴や注射と併用で飲み薬を使用するケースもあります。
淋病の治療薬・抗生物質について
ではクラミジアの治療に使われる治療薬・抗生物質について詳しく解説します。
淋病の治療に使われる抗生剤・抗生物質について
淋菌感染症の点滴や注射に使われているのは、セフトリアキソン(ロセフィン)とスペクチノマイシン(トロビシン)です。保険適用で確実な効果があるとされているのがこの2つの抗生物質です。
セフトリアキソン(ロセフィン)は、セフェム系の抗菌薬で、点滴か静脈注射で投与されます。基本的には1日1回のペースで注射します。症状がひどい場合は、用量を増やして2回に分けて投与することもあります。
スペクチノマイシン(トロビシン)はアミノグリコシド系の抗菌薬で、筋肉注射に使用されます。スペクチノマイシンは筋肉注射で1回投与の方法ですが、1回で効果が低い場合は用量を増やして追加投与します。
淋病の飲み薬『ジスロマック』とは?
ジスロマックは、クラミジアにも使用される抗生剤で、たった1回の服用でクラミジアをほぼ完治させることができる抗生物質で、クラミジアに対しては第1選択薬となっています。
ジスロマックの主成分は、マクロライド系のアジスロマイシンという抗生物質で淋菌性の尿道炎、子宮頚管炎に効果があり、淋病とクラミジアを同時に治療する薬として使用されることがあります。
ジスロマックは、淋病の治療に対しての第1選択薬である、点滴や注射に使用されるセフトリアキソンと、筋肉注射で使用されるスペクチノマイシンに対してアレルギーがある場合などに、アジスロマイシンが使用されます。
ジスロマックのジェネリックであるジニーとは?
実はジスロマックのジェネリックであるAZEE(アジー)が淋病やクラミジアの再発者してしまった方などから注目を集めています。『また淋病やクラミジアが再発してしまった..』『病院の内診に抵抗が…』というかたはAZEE(アジー)を検討してみてはいかがでしょうか。
おすすめ度 | |
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効能 | 抗菌作用 |
有効成分 | アジスロマイシン(Azithromycin)1000mg |
用法 | 1錠を1回服用 |
内容量 | 10錠/箱 |
淋病の治療薬の飲み方や副作用
淋病の治療薬であるジスロマックの飲み方や副作用について解説します。AZEE(アジー)も同様ですので購入する方もぜひごらんください。
ジスロマックの飲み方
2000mg分を1回のみ経口投与します。1回の服用で1週間~2週間かけて淋菌感染細胞の近くで作用するうえ、胎児への影響もないため妊婦の服用も可能です。
(※1回の服用で効果が1週間~2週間続きますので連続服用はやめましょう)
食事による影響はあまり考えなくてよく、食事の有無に関わらずいつ服用しても特に問題ありません。
ジスロマックの副作用
ジスロマックやアジーの有効成分アジスロマイシンによる主な副作用は、何べんや軽い下痢が比較的多くみられ、その他にはめまいや吐き気が起こる場合があります。
めったにありませんが、アナフィラキシーや、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群が疑われる症状(発疹、粘膜のただれ、水ぶくれなど)があらわれた場合には、服用を中止しすぐに医師の診察を受けてください。
ジスロマック(アジー)を服用するときのその他参考事項
淋病やクラミジアの治療薬であるジスロマックやアジーを服用する際に参考にしてください。
クラビットやビブラマイシンを推奨しない理由とは?
特にクラミジアに対しての治療薬として、ジスロマック以外にもクラビットやビブラマイシンといった薬が使われる場合があります。これらの薬は1週間続けて飲む必要があり飲み忘れる可能性が高まります。
治療薬であるクラビットやビブラマイシンなどを飲み忘れてしまうことで、菌が再び繁殖したり、薬に耐性を持ったりしてしまうので注意が必要です。
用法、用量を守れば、ほぼ確実に性器クラミジアを完治できますが、クラビットやビブラマイシンなどは妊婦にあまり推奨されていません。ジスロマックやアジーは1回1錠でほぼ完治する上、妊婦でも服用可能なためこちらを推奨しています。
淋病やクラミジアが完治したか再検査を
淋病やクラミジアの性病で気をつけなくてはいけないのが『再発』です。ジスロマックやアジーを服用することでほぼ完治しますが、再検査を受けずに「もう治った」と薬の服用をやめると、万が一菌が残っていた場合は再び繁殖してしまいます。
また、パートナーが完治していないと、カップルで感染を繰り返す『ピンポン感染』をとなってしまう可能性があるため、ペアで治療を行うことはもちろん、パートナーの治療が終わったことも確認が必要です。
淋病が完治しない場合は?
淋病が完治しない場合は、症状が似ているクラミジアなど複数感染している可能性もありますが、淋菌には耐性菌が生まれやすいという特徴があります。 つまり、これまで効いていたお薬が効かない菌が生まれやすいということです。
完治しないことで、治療は困難になり完治までの期間も長くなってしまうことがあります。そのため淋病に感染した場合、完治しない場合は、医師の指示に従い、完治するまで根気強く治療を続けることが大切です。
淋病が治ったらキスや性行為はOK?
淋病の検査結果、陰性判定を受ければキスや性行為を行っても大丈夫です。それまでは必ずキスや性行為はもちろん、コップの飲みまわしなども念のため避けたほうが無難でしょう。
淋菌感染症(淋病)とは淋菌という病原菌が原因で、性器や直腸などに感染して炎症をおこす性感染症です。