一般的には、性病の検査から治療完了まで一つの病院で完結することが多いですが、『転勤に伴う引っ越し』や『治療費用が高い』、『担当の医師と合わない』などなど、何らかの事情によって病院を変更せざるをえないこともありますよね。
一般的に病院を変更する際は、医師に『紹介状』を書いてもらうと転院先の治療もスムーズです。今回は、主に転院に伴う紹介状の必要性について解説します。
性病治療中の転院なら紹介状を書いてもらおう
性病の治療中であっても転院することは可能です。妊娠や手術、転居などによって転院が必要な状況になることもありますよね。転院する際は、今まで通院していた病院に紹介状を書いてもらいましょう。
転院時の紹介状の内容ともらい方
病院で書いてもらえる『紹介状』、正式には『診療情報提供書』と言いますが、転院の際は紹介状を書いてもらうことで、転院先の病院での治療がスムーズになります。担当医に「転院したい」むねを伝えて書いてもらいましょう。紹介状の費用は発生しますが、依頼すれば書いてもらえます。
紹介状とは、医師が他の医師や医療機関に対して患者さんを紹介する際に発行する書類のことです。紹介状に記載されている内容はおおむね以下のような内容です。
- 患者さんの基本情報(氏名や生年月日、お住まいや連絡先、等)
- 紹介の目的やこれまでの治療経過や検査結果
- 現在の病状や治療について
- 投薬、治療薬の内容
- その他、入院歴、アレルギーの有無など
紹介状は、診療の情報を提供する文書であり、これまでかかりつけ医でどんな検査や治療をし、どんな薬を処方されているのか等が記載されています。
病院が紹介状を発行するのはどんな時かというと、大きく分けて二通りあります。一つは患者さんが依頼した時、もう一つはかかりつけ医が他の病院での診療が必要と判断した場合です。どちらも、紹介状を書いてもらうにあたって数百円~数千円の費用が発生します。
今回は、患者さん側の都合での紹介状となりますが、性病の治療においては、医師が他のもっと専門的な病院で治療が必要と判断した際に、紹介状を書いてより治療に適した病院を紹介することもあります。
紹介状は、『今日書いてほしい』と伝えても、外来が混雑しているときや、他の患者さんをお待たせしてしまう場合は、当日中に書けない場合もあるかと思います。紹介状を書いてもらう際は、最低でも数日~1週間は余裕をもって依頼しましょう。
転院先を紹介してもらえることも
もし、転院先が決まっていない場合はかかりつけ医に病院を探してもらえることもあります。引っ越し先の住所を伝え「ご存じであれば病院を紹介していただきたいのですが」とお願いしてみましょう。
今通っている医師から、転居先近くの病院に紹介状を書いてもらえるかもしれません。引っ越し後は病院を探すことも苦労すると思われますので、ダメもとでも聞いてみてはいかがでしょうか。
無断(紹介状なし)で転院しても良い?
紹介状がなくても、性病の病院を変更することは可能です。担当の医師が苦手だったりすることで、無断で病院を変更してしまうケースもあります。
しかし、紹介状がないことで思わぬ費用が発生したり、検査等の時間が必要になる可能性がります。
「紹介状がない=かかりつけ医からの情報がない」ということ。そのため、一から問診や性病検査が必要となり、余分な時間と費用がかかります。
ほとんどの方は、性病検査やそれに伴う問診に抵抗を感じていると思われます。同じような検査や問診を避けるためにも、紹介状を書いてもらうほうがメリットが大きいと感じます。
性病治療中の転院の注意点
ここでは、性病の治療中の転院に関する注意点をまとめました。転院する前に以下のことを確認してみましょう。
紹介状がないと損をする場合がある
上記でもお伝えした通り、患者が希望する転院時であっても、医師に紹介状を書いてもらいましょう。
転院先で一から検査や問診をするはめになり、費用や時間が無駄となってしまいます。紹介状は場合によっては数千円必要ですが、転院先の病院での費用を考えると、紹介状を書いてもらったほうが断然得です。
また、紹介状は病院や医師の状況によってすぐに書けない時があります。余裕をもって医師に依頼しましょう。
保険適用のある病院か確認しておく
転院先の病院は、今の性病の治療を保険診療でできるか、または自由診療でできるかを確認しておきましょう。
性病の治療は保険診療の対象ですが、身内などに知られたくない場合は、保険証を使用しない自由診療を選ぶケースもあります。ほとんどの場合、保険診療でも自由診療でも対応してくれるとは思いますが、念のため、転院先に問い合わせてみましょう。
性病の治療を途中でやめない
性病の治療は自己判断で途中でやめてはいけません。必ず再検査を行い『陰性』を確認するまで治療を続けましょう。
治療途中で症状が改善されたからといって、自己判断で医師に指示された処方薬をやめてしまうことで、体内に病原菌が残ってうため再発する可能性があります。
また、転院を機に治療をやめてしまうケースもあり、完治しないまま性行為をすることによって、パートナーに感染させてしまう可能性があります。
性病の治療は、例えばクラミジアでしたら1週間~2週間程度で完治することが大半ですが、人によってはその期間で完治できず、追加のお薬が必要な方もいます。
性病治療は再検査で陰性を確認するまで続けることが大切です。
参考:性病の再発したときの原因と対処方法(クラミジアや淋病など)
まとめ:性病治療中の転院について
性病治療中でも転院は可能です。転院する理由はさまざまですが、特に多い理由としては以下の通りです。
- 治療中だけど転勤(引っ越し)が決まった
- 自由診療のため治療費が少しでも安い病院を選びたい
- 医師に抵抗があって病院を変えたい
などが挙げられます。どういった理由でも、転院先で同じような検査や問診を避けるために『紹介状』を書いてもらったほうがメリットが大きいため、もし医師(特に異性の医師)に抵抗があって病院を変えたいときでも、紹介状だけは書いてもらうようにしましょう。